元警部補の退職

つぶやき

 毎日新聞だけなのかは判らないが、大川原化工機冤罪事件について、毎日新聞は熱心に報道を続けたと思う。

 今日の1面と社会面に「元警部補 覚悟の退職」とする記事を掲載している。

 違法捜査の責任を求めた国家賠償請求訴訟の控訴審で、原告側の証人に立った元警部補が、この3月に警視庁を退職した。

 65歳の定年まで17年も残して、ということだから現在48歳。子供もいるようだ。

 証人尋問で、なぜ警察は悪いこともしていない大川原化工機を事件にしたのかと問われ、「組織としてはない。日本の安全を考えるうえでも全くない。決定権を持っている人の出世欲としか考えられない」と証言している。

 この警部補は6年前に大川原化工機の役員たちが逮捕された時点で、捜査が違法なものであることを公益通報していた。しかし警視庁人事部は全く取り扱わなかったらしい。

 この違法捜査に関わった警察官は20人ほどいたそうだが、この件で退職したのはいまのところこの警部補だけだそうである。

 この警部補が退職を決意したのは、高裁判決確定後、警視庁が公表した検証報告書の内容にあるらしい。

 裁判で負けが決まって検証報告をしなければならなくなって、初めてこの警部補から事件の状況を聴取したというが、警部補の話はほとんど反映されていなかったという。

 「この警視総監の下では働けぬ」
 この人の警察官としての責任感が痛いほどよく判る。

 この事件、警察の事件捏造。保釈を却下し続けた裁判官の責任。検察・警察の責任の取り方。再審決定に対する抗告の妥当性。いろいろ問題を残した。

 このような事件のときいつも検査・警察が口にするのは「それを認めたら組織が成り立たない」

 検察や警察の逃げ口上と思っていたが、本当にそれを認めたら組織が成り立たないということではないか。

 検察も警察も人間のやること。誤りはある。出世欲や点数稼ぎのために事件を捏造するということもやりそうなことである。過去にもたくさんあったのではないか。

 検察や警察の偉い人達が間違いに気がつかないということはないと思う。

 「それを認めたら組織が成り立たない」

 悪いことをやっているのに、悪いことをするのに、悪いと認めたら組織として成り立たない。

 何故そういう思考回路になるのか。

 悪いことをした人間を捕まえるのが検察・警察。だが検察・警察も同じ人間、悪いこともする。

 そういうことだから、検察・警察が悪いことをしたことを認めたら、悪い人間を捕まえることができなくなる。だからそれを認めるわけにはいかない。

 実に幼稚な言い方だが、そういうことではないだろうか。

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