定期検診

がん検診

 12月の定期検診が終わった。CT、腫瘍マーカー、内視鏡、いずれも病変は見当たらない、ということであった。

 診察室を退室するとき若い担当医が、「よいお年をお迎えください」、と私に声をかけた。

 私は一瞬何のことかと思ったが、そうか次回は来年の1月であったかと思い、私は体の向きを戻して、今年は大変お世話になりました、先生も良いお年をお迎えください、と応えた。

 彼はいくつなのだろうか。いつも明るく対応してくれる。いい青年だと思った。

 さんざんな1年であった。繰り返しここに書く気にもなれない。しかし私以上にさんざんな1年であったのは家族だろう。喉頭がんの告知を受けたことを伝えたときどんな気持であったか。つらい思いをかけてしまった。

 逆の立場を経験したことがある。10年ほど前、妻が防衛医大から尿管癌の疑いありと診断されたのである。

 生存率の低い癌である。友人の医師に相談したら、尿管癌であるなら助からない、ということであった。頭に黒い幕がかかったようだった。

 結果として誤診であった。防衛医大での診察資料を彼に診てもらったところ、これは画像のハレーションだという。

 まさかそんな初歩的なミスがあるのかと耳を疑ったが、彼はそう言い切るのである。

 すぐに防衛医大の担当医にその旨伝えると、大変参考になりました、という返事であった。

 半年間妻は検査検査で心も体も苦しんだ。私も一時は覚悟した。

 結局友人の言うことが正しいということになり、防衛医大の担当医は、癌でなくてよかったじゃないですか、という言葉を診断の最後の言葉とした。そんなことがあった。

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