孫がフランスに出発して今日で4日目になる。宿の窓から撮った街並みの写真を送ってきてくれたが、市街地にある宿のようだ。
「ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し」
羽田からシンガポールまで7時間。乗り換えまでに4時間。シンガポールからパリに14時間。パリからリヨンまでTGVで1時間56分。
萩原朔太郎の時代より圧倒的に近くなったが、近くなったなりにやはり遠い。よくもまあ無事に着いたものだと思う。
宿に着いてメールをくれたので矢継ぎ早のやり取り。「暑いけど湿気がないのでしのぎやすい。エアコンはない、扇風機だけ。時差ボケで全く寝られなかった。朝食はバゲット、チーズ、ハムだけ」
まあこれからが長い。フランスの生活に馴れなければしょうがない。
フランスの一般家庭でのエアコン普及率は20%くらいらしい。それでもここ何年かの熱波で普及が進んだと言われている。もともとヨーロッパは暑いところではない。
今年の熱波でヨーロッパでは死者数は約2万人に上った。フランスが一番多かったらしい。
景観保護も大事だが、人命も大事。フランスなどはどこよりも人間尊重の国と思っているが、古い社会制度というものは簡単に変えることができないようだ。
ヨーロッパに行くと街の景観の美しさや静けさに驚くという。看板はないし、街頭スピーカーというものもないらしい。
日本はどこもかしこも看板と騒音だらけ。全くの無秩序。景観などはどうでもいいという感じ。
外国人が日本に来て街の清潔さに驚くというが、どぎついと言ってもいいような看板や、家並みの汚さに気がつかないということはないはず。これも異国情緒と見てしまうのだろうか。
日本はまず真っ先に看板である。最近ではのぼり旗がひどい。なにより目立つ事が大事と考えているようである。
日本は昔から「呼び込み文化であった」という話がある。「さあさ、いらっしゃい、いらっゃい。さあ買った買った!」
日本はどうも町民の賑わいを、殿様の施政の良さと理解するむきがある。
暴れん坊将軍でも大岡越前でもエンディングは「人々の賑わいを喜ぶ吉宗であった」というようなのが多い。
きのうのテレビで羽田空港の土産物を取り扱ったニュースがあった。
お菓子などは別として、日本の思い出として浮世絵の手ぬぐいや盆栽風の置き物はポピュラーだが、のぼり旗のミニチュアが人気であるらしい。そこには「ラーメン」とか、「たこ焼き」とか書いてある。
外国人は日本の町を歩いていて知らず知らずのうちに看板とかのぼり旗が印象として深いものになっていて、自国に戻るとその看板やのぼり旗が日本の思い出となるらしい。そういうものなのか。
家内がこの日曜日フランスに行く。最後の海外旅行となるだろう。
看板やのぼり旗の国から室外機のない国へ。景観も大事だが熱中症の予防も大事。



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