何日か前の新聞に、子供のいない夫婦の一方が亡くなった場合、相続について深刻な問題が生ずることについての記事があったが、新聞は、行政書士を法律の専門家として紹介し、解説させていた。
最近職域の境界があいまいになっているが、行政書士はその最たるものである。
司法書士や行政書士は法律の専門家ではない。裁判所や登記所、市役所などに提出する書類の作成代理や申請代理などが主な業務であり、法律行為の代理や法律相談は禁止されている。法律家と呼ぶのは弁護士だけである。
ところが特に行政書士は、業務範囲は広いが食べていけるような業務があまりないために、他の資格者には見られないような活発な業務外の営業活動をする。
司法書士と行政書士の資格を併せて持っている人が多い。司法書士試験は行政書士試験より少し難しいので、とりあえず行政書士をとろうとする。
それから司法書士に受かる人もいれば、受からない人もいる。行政書士の看板だけ掲げている人は、司法書士が受からなかった人が大半である。
司法書士も行政書士も難関試験と言われるが、実態はそんなことはない。
司法書士の合格率は4%から5%と言われるが、受験者が多いからそういう数字になるだけで、実質合格率、つまり受験準備をした受験者の合格率は30から40%になると思われる。
なぜ受験者が多いかと言えば、不動産会社の営業マンたちが、不動産の仕事などしたくないと考えて、司法書士になりたいと転職を図るからである。
みんな宅建試験と同じレベルと考えて、ろくな準備もしないで受験するから受験者ばかり増えて受からない。
行政書士に至っては、ひところ解答用紙に名前さえ書き忘れなければ合格すると言われた試験であった。試験科目は見ればわかるとおり、法律を専門的に扱う仕事ではない。それこそ代書屋である。
どうも新聞などのメディアが司法書士や行政書士を法律の専門家と扱っているような傾向がある。
特に行政書士が目立つ。まさか行政書士会が意図的にメディアへの露出を図っているとは思わないが、繰り返すが、司法書士や行政書士は法律家ではなく、専門家でもない。
循環器科の医師が呼吸器内科の診断をして、昨年我が家は大変な思いをした。
専門家でないのに専門領域に入り込もうとする人間に気をつけなければいけない。



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