雨と花街の母

つぶやき

 今宵も朦朧のひととき。
 ここなん日か雨が続いた。春も秋も一雨ごとにやってくるはずが、突然の秋。

 「雨」という歌をときどき思い出す。
 「雨に濡れながらたたずむ女性(ひと)がいる」

 高音から始まる出だしがいい。
 歌詞をたどればなにか物語があるのかもしれないが、ワンフレーズだけでいい。

 この曲の歌い手と、スケートで金メダルを取った選手が似ている。

 「雨」を思い出すと、「花町の母」

 「たった一間の部屋でよい」、「なんど死のうと思ったことか」
 昔、母の口からよく出た言葉である。

 いずれの歌も昭和47年頃の歌。まだ人は苦労を背負って生きていた時代であった。

 そういえば苦労という言葉が死語になった。
 苦労を歌って人気歌手になることは無くなったようだ。

 かつて「苦労」が映画になった時代もあった。三益愛子の母はつらい。
 源九郎義経という武士もいた。
 なぜか、「銀座9丁目は水の上、今宵は船で過ごしましょう」という歌を思い出した。

 夜の秋も終わり、秋の夜は静かに更けていく。

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