子供の頃、母が数の子のおいしさを何度か話したことがある。コリコリという歯ごたえがとてもいいのだと言う。
食べ物のおいしさについて話すことのない母だったが、数の子は別格のようだった。その頃数の子を食べたことはない。母の話から、数の子というのはおいしい物なのだと思った。
「香り松茸味しめじ」という言葉を何度か母の口から聞いたことがある。でも子供の頃松茸ご飯を食べた記憶はない。
母が若い頃は、数の子も松茸も庶民の食べ物ということだったのだろう。
松茸の味を知ったのは50を過ぎてからのこと。長瀞の宝登山近くのレストランで、たまたま知り合った人から、信州上田別所温泉の松茸小屋の話を聞いたのがきっかけだった。
火にあぶって「松茸が涙を流したら食べ頃」と言う話を、松茸小屋のオヤジさんから教わった。
リタイアしてから上田には行っていない。ひところは泊りがけで松茸を食べに行ったが、別所温泉もずいぶんさびれてしまった。
松茸ご飯が食べたくなってデパートに買いに行く。信州上田産はなく、岩手県産が29,800円。
隣に2,980円のアメリカ産。アメリカでも松茸が取れるのかと思うが、安いのはそれしかない。
現役だったら国産を買っていたが、アメリカ産を買う。我ながら情けない。
3時から鬼平外伝。主役は片岡愛之助。題名は「四度目の女房」
盗賊稼業をカムフラージュするために、泥棒をする地ごとに女房を替える男の話。
五度所帯を持つが四度目の女が忘れられず、結局掟をやぶって仲間に殺されてしまう。
片岡愛之助という役者。愛嬌のいい顔をしているが、あまり演技がうまいとは言えない。テレビでの演技、どうにでもなると思うが、演出が悪いと思う。
2時間ドラマの残りを録画することにして、4時過ぎから相撲中継に。
なんといっても朝乃山。きのうの熱海富士との一番は素晴らしい
朝乃山は土俵にあがって柏手を打つ時、手を合わせて祈るような仕草をする。不運だった。彼の万感の思いを感じる。
今日は大事な一番に敗けてしまった。でもいいと思う。相撲は勝つべき相手に勝てばいいのである。
熱海富士の取組の頃に松茸ご飯が炊きあがった。一応松茸ご飯の味がする。
今年はもう一度、金利も上がったこともあるので、こんどは国産で松茸ご飯をしようと思う。


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