私と同じ年齢の人が、地元の介護付き有料老人ホームで暮らしている。
その話を聞いただけで、この歳で老人ホームに入らなければならない人がいるのかと驚くが、少しも珍しいことではないのだろう。
妻に先立たれたとしたら、そういう選択をしなければならないかもしれない。
79歳という年齢は充分すぎるほど高齢である。
その高齢者が老人ホームから退去通告を受けることになった。この事がこの話のテーマである。地元というのはその人の地元のこと。私の地元の人の話ではない。ネットでの話である。
どうして退去しなければいけないのか?老人ホームは死ぬまでそこで生活できるということではないのか。
キャッチコピーはこうである。
「ホームで暮らす父を喜ばせようと、父の日に長男家族が持参した「愛のこもった手土産」が、残酷な退去通告の引き金に――老人ホーム入居の思わぬ落とし穴」
手土産に持参した和菓子を父親が食べて、その夜緊急搬送されることになってしまう。和菓子の欠片をうまく飲み込めず気管に入り込んでしまって、医者からは「誤嚥性肺炎の疑い」と診断される。
父親は命を取り留めるが、高齢のため肺炎の回復が遅れ、入退院を繰り返すようになる。
入院から3ヵ月が経過した頃、老人ホームの施設長から呼び出され、耳を疑う宣告を受ける。 「大変申し上げにくいのですが……お父様には、当施設をご退去いただくことになります」
多くの老人ホームには厳しい「退去要件」が存在するらしい。
長期入院や痰の吸引などの医療行為が必要となる場合は契約解除事由になるという。 誤嚥リスクが高まり、施設側が「安全な食事提供が困難」と判断した場合も退去事由になるらしい。
老人ホームは病気になったら面倒をみてくれないのだ。
この老人ホームを退去して、医療設備のある老人ホームに入ることになる。費用も数段高くなる。
79歳の男性。現役の頃は優秀な人物であったことを思わせる。老人ホームに入居。誤嚥性肺炎。年金だけでは新しい施設の費用が足りず、息子の援助を受けることになる。
そういうことって自分の身にもあり得ることだと思うが、どうなるのかなあーと思うしかない。


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