今日も夜になった。
残り少ない人生、一日一日を大切にしなければと思っているが、大切にする暇もなく、一日が早い。
一日の大半を「歩けること」に費やしている。
歩けることはもともと人生に備わっているもの。歩けるから人生がある。
「知らず知らず歩いて来た 細く長いこの道」と、美空ひばりさんも歌っている。歩くことは知らず知らずにするものであった。
なのに、知らず知らずを練習している。
知らず知らずは知らず知らずなのだから、練習で身につくものではない。
「誰が待つと言うのあの部屋で そうよ誰もいないわ 今では」と日野美歌さんは歌った。
「好きでお酒を 飲んじゃいないわ あのドアを開けてみたって あなたはいない」と江利チエミさんは歌った。
歩くことと関係がないが、人生は誰かいないとだめなのだ。
それに論理を気にしないいい加減さも必要だ。
明日も歩けるために歩く。歩けなくなる日まで。


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