家族葬は安くはない。

つぶやき

 最近新聞の訃報欄で、「葬儀は近親者で営んだ」という記述を見ることが多い。ほとんどがそうである。一般的な葬儀はやらず内輪だけで見送りましたという事なのであろう。

 家族葬とか小さなお葬式というのが言われ出したのは2008年のリーマンショックあたりからと言われている。

 葬儀と言えば、親戚縁者はもちろん、会社関係から友人関係、近所の人にまで声をかけ、盛大とはいかなくてもそれらしく行うものであった。

 家族葬が多くなってきた理由は、それまでの一般的な葬儀に対して、「そこまでして葬儀をする必要があるだろうか」という事が人々に意識されてきたからではないかと思うが、社会的な理由もある。

 高齢社会になって、亡くなる人が80代90代ということになり、葬儀に参列する人もすでに亡くなっているとか、高齢のために出席できないことが多いらしい。

 故人が地方から都市圏へ就職等で移住していた場合は、故郷の兄弟も高齢化し、長時間の移動を伴う参列は出席することが難しい。

 出席者が少ないから大きな会館を使う必要もない。そういうことになる。

 確かにそのような要因もあるが、時代と共にやはり葬儀は社会的な見栄とか単なる慣習ということではなく、家族だけで見送ることが故人のために一番いいのではないか、と意識されるようになったのではないだろうか。
 
 車で走っていると道路際に家族葬用の建物を見かけることがずいぶん増えた。一軒家のような建物だが家族葬というものを演出しているようだ。

 しかし葬儀会社にとって、葬儀は派手で大きなものでなければ利益が薄いはず。葬儀会社が家族葬を推奨することはありえないと考えるのが普通だ。

 だが葬儀の流れとしては家族葬が進んでいる。最近では直送というのも多いらしい。葬儀会社としては、家族葬にシフトを替えざるを得なくなったという事なのだろう。

 だがしかし、葬儀の規模が家族葬などによって小さくなったから葬儀費用が安くなると思ったら大間違い。葬儀会社が利益を落としてまで家族葬をやるなどということは考えられない。

 従来の売り上げを如何に家族葬で確保するか。要は家族葬は安くはないということである。

 ネット広告では「家族葬27万円から!」などの金額を目にするが、実際には宗教者へのお布施(導師供養料)を除いた葬儀業者からの請求額は2日葬の家族葬の場合、100万円台半ばとなるらしい。27万というのは全くのおとりである。

 必ずしも必要でないエンバーミング(遺体を綺麗にすること)や湯灌を、故人を亡くしたショックで気が動転している遺族のスキをついて、追加依頼を受けたことにしてしまうらしい。

 国民生活センターによれば、最終的には広告の数十万円ではなく、200万円、300万円台の高額な葬儀費用が請求されるケースがほとんどで、トラブルになっていることが多いという。

 葬儀業者全部が海千山千とは言わないが、数十万というものがどうして300万にもなるのか。

 家族葬とか小さなお葬式というものを人々は費用が安く済むものと誤解している。その誤解に乗じて葬儀を請け負い、あとは遺族の気持ちにつけ込んでぼったくるというのが葬儀屋ではないか。
 
 知人で息子さんの葬儀費用700万払った人がいる。
 
 なにもかも最高の葬式にしたかったらしい。気持ちは判る。騙されたという事はない。

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