今日の定期検診の若い研修医は、私のがんの手術後の経緯が良好なものであることがあまり嬉しそうではないようだった。
手術後1年間は治療期間。その後は経過観察の期間となって、毎回担当医師が変わる。
この病院の場合研修医ばかりで、過去4年間、教授とか講師といったエライ先生に診てもらったことがない。
いろんな目で経過を診ることが大事なのだという。
だが「いろんな目」には、患者の気持を安心させる目もあれば、不安にさせる目もある。
若い研修医には、患者に対する心遣いというものを身に着けていない人も多い。患者を不安にさせることに無上の喜びを感じる者もいるのかもしれない。
前回の医師は、「あなたの場合、転移や再発するようながんではない」というようなことを言ってくれた。人柄の良さそうな人だった。
今日の医師は、「あなたのがんは肺に転移しやすいから次回はCTを撮りましょう」という。今まで何度もCTを撮ってきた。この医師は私のデータを見ていなかったのではないかと思う。
私は造影剤でアレルギー反応を起こしたことがあり、以後CTは造影剤を使わない。しかしこの医師はそれを知らなかった。
それはまずいと思ったのか、今日の医療報酬は80円だった。
祝杯という事ではないが、定期検診から帰ってくれば、やれやれと一杯やりたくなる。
定期検診から帰ってこなくてもやれやれと一杯だが、刺激のない毎日、定期検診後は少し特別な「やれやれ」となる。
やれやれとしている時、何度もこのブログで触れている大川原化工機冤罪事件のニュース。
亡くなられた相嶋相談役の遺族が、裁判官の責任を問う損害賠償請求を提訴した。
すでに提訴はしていたものと思っていたが、今日のことであったらしい。
相嶋さんの遺族は会見で、「死に至る病に罹っている人間に保釈却下を続けた理由を聞きたい」と述べたそうだ。
死に至る病であろうが、死に至らない病であろうが、刑事訴訟法にはそのことを区別した規定はない。
残念なことだが、裁判所はそんなことを裁判の争点にするものと思う。法律の規定通りに行ったまでのこと。
今日の若い研修医。でも最後にいいことを言った。
「術後5年目の年。いい年で終えられるようがんばりましょう」
少し納得しないこともあったがそう言われては、深々と頭を下げて診療室を後にした。


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