今日は55回目の結婚記念日。エメラルド婚と言うらしい。
指輪でも買おうかと言ったら、「もうそういうものは一切要りません」と言う家内の返事。
まあそうかもしれない。婚約指輪を贈らなかったから、そのお詫びをずいぶんしてきた。それに人生において、いい物を身に着ける機会というのはそうあるものではない。
なんか知らんが12月1日からクリスマスまで毎日食べるチョコレートを買いたいという。それもイタリアのがいいと言う。
お金の管理はすべて家内まかせ。チョコレートくらい勝手に買ったらいいじゃないかと言ったら1万6千円くらいするという。
そんな金額で迷っているようなら私の稼ぎは大したものではなかったことになる。家内が勝手にいくら使おうと、老後の資金に不安はないと思っているのだ。相談されると自信がなくなる。
ネットで調べてみるとアドベントカレンダーというのがあった。クリスマスを待ち望む期間ということのようだ。そのカレンダーの中にチョコレートが入っている。
以前クリスマスまでに少しずつ食べるパンというのがあった。シュトレンとか言った。最近家内は買わなくなったが、結構高い物らしい。
キリスト教圏では、クリスマスを待つための食べ物や飲み物というのがいろいろある。
日本には正月を迎えるという風習があるが、特定の偉人の誕生日を待つという風習はないな、などと考えたりする。
食べ物も正月に食べるものはいろいろあるが、正月を待つ間に食べるというものは無いように思う。
キリストの社会では、待つ時もその日にも特別に食べるものがある。人生を楽しむのはヨーロッパの人の方が上手なのかもしれない。
せっかくの結婚記念日。なにかおいしいものを食べに行こうと出かけたが、考えてみると毎日のようにどこかでおいしいものを食べている。
とりあえず出かけて、あそこのフレンチにしようと決めて近くまで来たら、かば焼きの臭いが周囲に立ち込めていた。
これは町全体の迷惑ではないかと思ったが、この臭いの誘惑に勝てず、フレンチをやめてうなぎ屋に入ることになった。川越はうなぎの町でもある。
結婚して半世紀以上の時間が経った。テーブルに向かい合って座るが、いつもの老後の時間つぶしに変わりはない。
結婚前にデートで、おでん屋とかふぐ屋とか寿司屋に行った思い出はあるが、うなぎ屋というのはない。
うな重はおいしいものだが、カッコつけようのない食べ物である。
夫婦歳老いて、「おいしいね」と見合わせながら食べるものである。


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