今日は朝から一日弱い雨が降り続いた。
台風30号は台湾付近からUターンして沖縄、九州方面に向かうが、さらに鋭角に進みそうで、本州付近では伊豆半島や房総半島をかすめるような進路になるかもしれない。
3時から鬼平の放送があると思ってチャンネルを合わせたら、藤沢周平の「果し合い」という時代劇ドラマが始まっていた。
仲代達矢さんが主演のドラマだが、2015年の作というから仲代さんは83歳。2025年に亡くなられているので死の10年前の作品ということになる。
仲代達矢という役者さん。スキのない演技をする人だ。そのせいなのか、この人の演技を見ると疲れる。
藤沢周平という作家。短編集の文庫本1冊ですべてが分かる作家である。
最初の20分ほどを見逃したが、最後まで見ることにした。外は雨である。
要は女性を裏切ったという話である。
許嫁に横恋慕する男からの果たし状で、相手を切ってしまうが、相手が上司であったということから婚約は破談となる。
「あなたは私と結婚できないことに寂しさを感じることはないのですか」。
女性は駆け落ちを迫るが、彼は約束の時間に行かない。女性は自死する。
そんな人生を送った男が、年老いて自分に寄り添ってくれるメイの身に同じようなことが起きる。メイをかつての自分の許嫁のような不幸な目に合わせたくない。
メイの愛する男を守るため、横恋慕する男を切り捨ててしまう。
ありえないことではないかもしれない。でもありえたとして滅多にあることではない。
滅多にあることではないことを、どこにでもあることのようにして人生を語るのはやめてもらいたい。
駆け落ちの時間に行かなかったのは自分の意思である。人間そういうこともある。好きになればみんな駆け落ちをするというものでもない。
しかしそういう人間はいつまでもそういう人間なのである。悔いることはあっても、それは思い出話として語る時だけである。同じことがまたあるとすれば、こんども駆け落ちの場所に行かない。
藤沢周平さんの小説は失礼だが、どこかインチキ臭いところがあると思っている。でもそこに同感を得るというサラリーマンが多いという話もある。
人生インチキ臭いところがなければ生きてこられなかった、ということもある。
高級レストランが人生ではない。寒風に吹かれながら屋台の酒を飲むのも人生であった。
生きていたらまた明日会おう、というのが妻との「おやすみ」


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