なんと愚かな国に生まれたことか

つぶやき

 松尾貴史さんの肩書は俳優、タレント、コラムニスト。大阪芸大デザイン学科の卒業ということだそうだから異色と言えば異色。
 
 以前テレビの「相棒」で拝見したことがある。細川敏之さんが神父役で松尾さんはホームレスの役をしていた。演技と言うよりそのままという感じであった。

 永年、毎日新聞の日曜版に「ちょっと違和感」というコラムを連載されているが、なかなかの文章家であり、リベラリストであることが判る。

 きのうは「憲法改正 国民の権利制限、権力乱用の恐れも」と題して、高市首相がこれからやろうとしている憲法改正について述べていたが、イラストにヒトラーの似顔絵を描いていた。

 政争の放棄から戦争のできる国へ、公益の優先、私権の制限、緊急事態条項の創設。これらは改正ではなく改悪。人々はこの危うさに気がつかないのか。

 司馬遼太郎さんは敗戦直後、「なんとおろかな国に生まれたことか」という気持ちを抱いたそうである。

 「おろかな国」と司馬さんが言っているのは日本という国ではなく、日露戦争が終わった1905年から1945年の敗戦までの日本の状況のこと。司馬さんはこの40年を「異胎の時代」と名づけた。

 「異胎」とは、自分の子どもでありながら親に似ていない子ども。転じて歴史的に非連続で特異な時代や現象を指す言葉。

 なぜ、日本の歴史全体から見て極めて異常な時代が出来(しゅったい)したか。この時代の異常さを司馬さんはこんな言葉で表現をする。

 「一人のヒトラーも出ずに、大勢でこんなばかな四十年を持った国はあるだろうか」

 「他の時代をいくら考えても、昭和の軍人たちのように、国家そのものを賭(か)けものにして賭場(とば)にほうりこむようなことをやった人々がいたようには思えなかった」

 すごい表現である。

 司馬さんは「軍部の暴走」と「国民の愚かさ(群衆の熱狂)」の両方を、昭和前期の悲劇を生んだ要因として語っている。

 自民大勝、憲法改正。高市さんはあの40年の時代に戻りたいらしい。

 司馬さんの本を読んで、高市さんも自民党に投票した人も、考え直してもらうわけにはいかないだろうか。

 

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