歯医者は個人商店

つぶやき

 どんな商売も儲かってこそのものである。

 商売をする立場からすればそんなことは当たり前のことだが、社会にとっても商売をする側が儲かっていないと困る。ただ暴利はダメである。

 儲かるということは、利用者が高い金を払わされているということになるかもしれないが、商売は人助けではない。

 真っ当な稼ぎの中で儲け、社会はその儲けによってサービスを受ける。これが正常な商売というものである。

 企業でも個人商店でも、儲からないと何をしでかすか分からないという危険がある。

 個人商店の場合、例えば食堂のようなところであれば、商売がうまくいかなければ何を食べさせられているか分からないということもあり得る。店の改装もできないから不潔なものになる。

 人気の落ちた温泉街のホテルなどは、どうしようもないほどのサービス低下となっている。とにかく従業員がいない。

 儲かっていない弁護士や司法書士などは依頼人の金を使ってしまう。
 事務所維持のために登録免許税をごまかして免職になった司法書士が何人もいる。

 貧すれば鈍するのである。

 歯医者というのは個人商店の最たるものではないだろうか。町医者である。歯の治療のために大学病院や大病院に行くという話はあまり聞かない。

 町の歯医者は儲かったらしい。虫歯というのは放っておいて治るものではない。戦後は虫歯の時代と言われる。甘いものに飢えていたから子供から大人まで虫歯だらけであった。

 この何年か歯医者の倒産ということが言われているが、原因は歯医者の数が増えたこと。それに患者が減ったことにある。

 最近では歯磨きの慣習が定着したことから、虫歯の患者が以前に比べ圧倒的に減少したそうだ。

 インプラントがしきりに宣伝されているのは歯医者の生き残りをかけてのこともあるという。インプラントの効能については歯科医の見解が真っ二つに分かれる。

 歯医者というのは考えてみれば零細な商売である。記憶の中にも一人の歯科医と受付の女性がいるだけのところが多かった。歯科衛生士がいる歯医者というのはほとんどいなかった。

 先月から歯医者を替えたが、以前の歯医者は町でも評判のいい歯医者だが、やはり個人商店として時代の流れに取り残されているように見える。

 昔からの虫歯を直してなんぼという商売をやっている。歯科医療というものに対する広い見地からの取り組みがないように思える。

 レントゲンなども新しく行き始めたところと比べると全く機能が足りない。

 商売というものは原状を維持して、かつ将来を見据えて変化していかなければいけないものだが、個人商店というものは現状維持に終始してしまう。経営者の老齢ということが大きいかもしれない。
 
 現状維持ということは取り残されるということである。

 新しい歯医者に行き始めてそんなことを思う。

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