長生きが怖くてたまりません

つぶやき

 こういう話がネットには多い。
 中山さち子さん(仮名)は現在69歳。昨年、45年連れ添った夫が心不全で突然に亡くなってしまう。

 それまで夫は厚生年金と国民年金を合わせて月14万円ほどの年金を受給していて、一方のさち子さんは、若い頃に8年ほど厚生年金に加入していたことから年金は月7万5千円程度。

 夫婦2人の年金収入は合計で月21万千円。つつましく生活していれば十分とは言えなくとも生活は維持できる。

 ところが夫が亡くなったことで生活は一変。さち子さんが遺族年金として受け取れるのは、夫の厚生年金のうち報酬比例部分の4分の3。月額でおよそ5万5,000円強。

 さらに、遺族年金と自身の老齢厚生年金との「併給調整」により、さち子さんの年金は1万円弱カット。結果として、毎月の年金収入は12万円程度にまで減ってしまう。

 アパートの家賃が月6万5千円、光熱費が1万円、食費に2万5千円。残りはたった2万円。

 天引きされる国民健康保険料や介護保険料。2年に一度のアパート更新料や保険料の支払い。持病の薬代。これでは孫に何か贈る余裕もあるはずもない。

 頼りにしているのは夫が遺してくれた約500万円の貯金。ただし、それも簡単には手をつけるわけにはいかない。
 「これから10年、20年生きてしまうかもしれない。そう考えると怖くて使えません。本当に長生きしたくないです」

 このネット記事に近い状態で生活をしている女性を何人か知っているが、いずれも私の知人ではなく家内の知り合い。確かに皆さんお金があるような生活はしていない。

 この例においては、亡くなられた夫の収入があまり多くはなかったのではないかということと、そのためだと思うが、預金も500万では少なすぎる。
 家も借家ということであれば夫はどんな職業の人だったのか。ハッキリ言えば稼ぎが悪い。

 問題は、このような話が多いのだが、この人のようなケースを一般的としていいのか、ということである。日本人はもっと豊かではなかったか。

 この女性の後悔という記述がある。

 「遺族年金が少ないという話は、60歳を過ぎた頃に聞いたことがありました。でも『もう歳だから』なんて言い訳をして、働くこともせず目をそらしてきたんです。夫が長生きしてくれれば……そんな神頼みをしていた自分が情けない。子どもには迷惑をかけたくない。そうなるかもしれないと考えると、不安でたまりません」

 この記事は、「年をとっても働け」という政府のキャンペーンだつたのかもしれない。

 

 

 

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