禍根と遺恨

つぶやき

 政治資金パーティー券購入者を公開する基準額は今まで20万円超なってたが、裏金問題を契機にその引き下げが検討され改正された。

自民
案は当初10万円超を主張したが、岸田文雄首相は、麻生氏や茂木幹事長らの反対を押し切り、公明党が主張する5万円超を受け入れた。

 麻生氏は8日の福岡県連大会で「民主主義にはどうしてもコストがかかる。将来に禍根を残す改革は断固避けなければならない」と暗に首相を批判した。

「民主主義」「将来に禍根」。麻生氏には似合わない言葉である。民主主義の何たるかを分かっている人とも思えず、将来に禍根を残してばかりいた人である。

 民主主義はなぜコストがかかるのか。

「広い地域をくまなく歩いて声を聞き、それを政策として形にしていかなければならない
秘書や事務所経費、後援会活動など多くのコストがかかる」とその理由を説明した。

 麻生氏が「広い地域をくまなく歩いて声を聞き」ということをしているとは思えない。

 5万円と低くしたことがどうして将来に禍根を残すのか

 「万円超への引き下げで名前の公表を恐れる購入者の買い控えが起き、政治資金の減収が予想される」
 「国会議員をめざす多くの若者が『政治資金が確保できない』と言って政治(の道)を断念することになる。それは甚だ残念なことで、将来禍根を残すことになる
と語った

 これが内閣総理大臣まで経験した麻生太郎という人間の言うことである。屁理屈ではないか。まともな人でないことはこれでさらに明らかになつた。 

 この人に「多くの若者」という言葉を使う資格はない。

 民主主義に金がかかるのでも、政治に金がかかるのでもない。政治家になるのに金がかかるのだ。民主主義などとう言葉を冒用するものではない。

 金をかけて選挙を行い、その費用を回収するために政治に金がかかるようにしたのは自民党ではないか。金をかけて議員になるのは自民党議員だけである。

 真の政治家を志す若者は、政治資金の減収など意にも解さないことであろう。
 麻生氏の言う若者とは、ご自分も含めた自民党議員の子供たちのことを言っているのではないか。

 麻生氏にしてみれば、世襲を予定している息子のために、金が集まるシステムを残しておきたいのであろう。

5万円に改正したことは、禍根を残すものではなく、岸田首相に遺恨を持ったということである。
 

金権政治、数の政治のためのタレント議員の増産、二世議員。
今の政治は昔の自民党の禍根ではないか。

いや、なによりの禍根は、40数年前、麻生氏が議員に当選したことである。(了)
 

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