石破首相は、靖国神社の秋季例大祭に合わせた参拝を見送ったが、真榊(まさかき)を奉納した。
参拝と真榊奉納とはどう違うのかと思うが、歴代の総理大臣と同じように、今の時点での参拝は時期尚早ということなのであろう。
国のために命を捧げた人々を英霊として祀る。悪いことではないが、宗教法人として国が認めた神社に、内閣総理大臣が参拝することは憲法に触れる。真榊奉納でもしかり。
宗教行為をすることが信教の自由に反することになる。
石破首相は改憲論者である。それも憲法9条第2項を削除して、新たに軍隊(国防軍)の設置を主張する。今までの総理大臣の中で一番筋が通っている。
憲法改正は国民の悲願である、と安倍さんが言ったようだが、自民党は創立以来憲法改正、自主憲法制定を主張している。
しかし長年の主張にも関わらず国民の了解が得られない。なぜなのか。
国民にとって一番重要なことをはっきりと言わないからである。
それは何かと言えば徴兵制である。
国民は憲法改正の先にあるものが徴兵制であることを知っている。
徴兵制はなによりも国民に犠牲を強いる制度である。徴兵制を国民に納得させることは難しい。
憲法改正をとにかくやってしまって、それから当然のごとく徴兵制をしく。そういうことではないだろうか。
安倍さんはそれを指摘されて、「そんなことするはずがありません」と答えていた。
「そんなことするはずがない」ということをやってきた人である。
今年1月 保守論壇の評論家と言われる櫻井よしこ氏がXに投稿し、
〈「あなたは祖国のために戦えますか」。多くの若者がNOと答えるのが日本です。安全保障を教えてこなかったからです〉と述べている。
今改憲論者が一番悔やんでいるのは戦後教育のことである。
「祖国のために戦う」「祖国のために死ぬ」若者を育ててこなかった。
「祖国のために死ぬ」若者がいなければ美しい国ではないらしい。
毎年靖国の例大祭にはいろいろある。靖国は国のために死んでいった人たちには神社であるが、改憲論者には軍事施設である。
英霊と言いながら遺骨収集は進んでいない。何人の人が国のため死んでいったかということも、戦後80年になろうとしているのにはっきりとは分かっていない。
高市さんなどは英霊に参拝しているのだろうか。戦前の軍国主義者の亡霊に参拝しているのではないだろうか。
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