大みそかから正月2日間テレビを見ていない。紅白や懐メロはもちろん、ウィーンフィルも見なかった。
テレビをつけるとチャンネルを変えるわずかなスキに、お笑いタレントのバカ騒ぎを目にすることになる。これが不愉快。テレビをつけなければ穏やかな気持ちで正月を過ごせる。
しかし元日の毎日新聞1面トップは、「ロッキード5億円配布先入手」
元日早々穏やかな話ではない。
田中角栄の秘書であった榎本敏夫が、東京地検特捜部の取り調べに対して作成した配布先一覧表を毎日新聞が入手したというのだ。
大みそかに入手したということでもあるまい。あえて元日の朝刊にということだと思うが、そうする必要があったのだろうか。毎日新聞も結構せこい。
ともあれ、ロッキード事件丸紅ルートの5億円が、1974年の参院選で田中の元から候補者に配布され、その配布先26名の氏名と渡した場所が書いてある一覧表である。金額は一人2,000万円。
受け取った候補者は田中派の人達ばかりではない。田中系は1人で、角福戦争の福田赳夫元首相の福田系が5人。後に田中逮捕のときの総理大臣である三木武夫氏の三木系に3人。元警視総監の秦野章氏の名もある。他のほとんどの派閥にもカネが渡っている。
なぜ他派の候補者にまでばら撒いたのか。「他派にシンパが多い方が他派の情報も入るし、動向もつかめる」「積極的に支持してもらわないまでも、むしろ黙っておいてもらった方がよいものとの考えも持たれていたと思う」と榎本秘書は田中の狙いを推測した。
まさに金権政治。「金権体質赤裸々な資料」と2面、3面で詳細に報じている。
この資料は田中の収賄の立証を優先したことから公判では使用されなかったらしい。榎本秘書をこの選挙で「100億円は下らない」金がばら撒かれたと述べている。
つい先日、田中真紀子氏のことを書いたばかり。父親は立派な政治家であったという前に、金権政治で日本の政治から理念を取り去った人物の娘であることをしっかり認識すべきである。
近頃、田中角栄待望論や田中の人心掌握術などが称賛されている。
しかし錯覚してはいけない。「政治は数だ、数は力、力は金だ」は間違っている。
元日の毎日新聞の報道。いまさらなにを、という感があるが、今年の元日にふさわしい記事であったのかもしれない。



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