グ ル 社 会

つぶやき

 まだ夏である。9月も半ばであるが、肌が感じる季節はまだ夏である。
 きのうは3時ころから久しぶりの雷と豪雨。線状降水帯ではないから大雨でも心配することもない。この町は水はけもいい。

 犬は特別耳がいいから雷を怖がる。より大きな音で聞こえるのであろう。雷が鳴るたびに娘の飼っているトイプードルの、ビックリした不安げな顔を思い出す。

 ここ何年も夜に散策することがなくなった。少し汗ばんだ肌に夜の風は心地いい。夏ではあっても、夜の街を歩いてみれば秋が来ているはずである。

 テレビの時代劇で、百姓が役人の悪政に堪えかねて代官に訴えると、代官はよく知らせてくれたと百姓の話を聞き褒美まで与える。
 百姓たちは、「お代官様は分かってくれた、よかったよかった」と村に帰る。すると待ち伏せしていた代官の手下にみんな殺されてしまう。

 昔からよくあった話なのか、現代の話を時代劇にしたのか、あり得る話である。
 グル社会という表題にしたとき、まず浮かんだのが悪代官であった。時代劇の見過ぎである。

 血圧が高めなので毎日計っている。薬の広告の、いくつを越えたら要注意、と言う数字はコンスタントに超えている。血圧が高いとなれば脳溢血、心筋梗塞などいろいろ危険だと言われているから心配ではある。

 しかし「高血圧の嘘」と言う話もある。かなり根拠のある話である。
 そもそも高血圧は病ではない。基準値を設けてそれを超えたら降圧剤を飲むというのは、医薬品会社と高血圧学会、それに厚労省の陰謀であるという。

 事実、基準値を130以下とすることによって降圧剤の売り上げは2000億円から一気に1兆円になったというという確からしい話がある。

 昔、食料が不足して栄養不足の時代でも基準値は180くらいであったらしい。
 それが栄養豊富により血管など丈夫な時代になったのに基準値はどんどん下げている。
 30代と80代が同じ基準値というのもおかしい、という指摘に合理性がある。

 降圧剤を飲むことでかえって脳梗塞を起こすことになるという事例もずいぶんあるという。腎臓や肝臓などへの負担も大きいらしい。
 医者に行けば「とりあえず飲んでみますか」ということになる。医者も先のことまで分からない。我々庶民はどうしたらいいのだろうか。

 サプリメントの広告は深夜早朝のテレビにおいて定番中の定番である。テレビ局の売り上げに相当貢献していると思われる。

 サプリメントの広告を見るとこの国の健康に対する関心が分かる。老いの防止、膝、血圧、血糖値、最近では勃起不全が堂々と広告されている。

 本当に体に効果があるのか。個人によって効果が違うから何とも言えないという。それなのに効果のあるという人だけ映って、効果がないという人は登場しない。
 テレビで自分の経験を話す人は、一般の素人の人と思っていたが、CM専門の芸能事務所の役者さんであった。
 ギャラは安いがテレビに出ることを趣味としている人達らしい。

 歩きにくいことがいつまでも続くので、主治医にサプリについて聞いてみると「私ならそんなものに高い金を払うならステーキでも食べます」と言う。
 もっと親身になってくれてもいいと思うが、私は血糖値も高めであるから贅沢なものは食べるわけにはいかない。

 販売会社にしてみれば「元気なうちにどんどん買ってください」ということになる。
 元気でなくなったら、「余計なものを体に入れてはいけない」と医者から止められてしまうからである。
 元気でなくなった時にサプリを飲めば、それが効いたかどうかはっきり分かる。元気なうちに飲めば「効いてきたような気がする」
 健康サプリは健康のために飲むものではなく、健康な時に飲むものである。

 先日、昨年受けた運転免許の高齢者講習に関して、講習所の内容のひどさについて埼玉県警察の免許センターに苦情の文書を送ったら、昨日運転免許講習課の担当者という人から電話があった。
 話をしていて私が送った苦情書を読んでいないことがよく分かる。
 講習所の内容について説明すると「それはまずいですね」という空返事だけで全く真剣味がない。
 最後に「ではこれでお宅様の苦情はよく聞いたということでいいですね」
と言って電話を切った。

 高齢者講習と警察の免許センターがグルであることに、この言葉を聞いて気がついた。非公認の自動車教習所を高齢者講習の講習所とすることの問題性を指摘したのだが、それは警察にとっても痛いところであるらしい。
 握りつぶされてしまったようだが、殺されないだけよかった。
 
 最近横断歩道で立っていると、待ってくれる車が増えて困っている、という71歳男性の投書が毎日新聞にあった。
 膝が痛いのでゆっくり渡りたいのだが、運転手は手を振って先に行ってくださいと言う。
 あなたが先に行ってくださいと合図しても、一層力を込めて、あんたが先に行けよ、と合図してくる。
 膝を痛めたのも、慌てて横断歩道を走り出したのが原因だという。

 車を運転していれば誰も経験することである。特にこの何年かは信号機のない横断歩道での一時停止義務違反を集中的に取り締まっている。
 警察の検挙件数を上げるための会議かなんかで、みんな頭を抱え込んでいるときに「あれがあるじゃないか」と思いついたのがこれではないか。

 一時停止義務の保護法益は言うまでもなく歩行者の安全である。
 歩行者優先ではなく「歩行者の意思優先」にしてくれるとありがたいのだが、とこの投書者は最後に結んでいる。
 この人の気持ちが警察に伝わることはないだろうと、先日私を検挙した若い警察官の職務忠実な顔を思い出した。(了)

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