相続人への手紙

つぶやき

 生涯独身で孤独死した従弟に相続人がいた。
 「事実は小説より奇なり」ではなく、よくある話である。母親が結婚し(未婚で子供を産んでいるから再婚ではない)、夫の連れ子夫婦と養子縁組した、ということである。

 母親は自分の子供の将来のことを考えて、夫の連れ子夫婦を養子にしたわけではないはず。
 夫になった男性は、すでに二度の結婚によって7人の娘を持ち、三度目の結婚は子持ちの女性。長女は33歳になっていた。新しい母親と9歳違い。いろいろ確執があったに違いない。

 孤独死した従弟は、養子の兄弟がいることは知らなかったようだ。仮に知っていたとしても、その兄弟たちと付き合う関係にはならなかったと思われる。 

 血のつながりのある従弟に相続権はなく、血のつながりのない法律上の兄弟に相続権がある。

 相続においてトラブルになりやすいのは兄弟相続ということになっている。
 妻と死んだ夫の兄弟との相続。実子と養子による相続。

 妻と死んだ夫の兄弟との相続がトラブルになると実に見苦しい。夫の資産形成になんの関係もしなかった兄弟が、残された妻に対して権利を主張する。
 妻が1人で住む住宅の権利まで主張するから、残された妻は自分名義に登記をすることができない。こんなことはしょっちゅうあることである。

 従弟の相続人に手紙を送ることにした。要は相続を受けるか受けないか。法律的に言えば相続を放棄するかしないか。

 会社勤めで生涯を終えた従弟に千万単位の遺産があるはずはない。
 多少とも煩わしい思いをする。そんな金額の遺産なら要らないと言うか、兄弟とはいえ法律上だけの事、相続を受けるわけにはいかないと言うか。  
 
 相続人は92歳の女性とその娘。先方の家庭の事情は全く分からない。
 
「あなたなーらどうする」はいしだあゆみさんの持ち歌。歌として上質なものではない。

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