砂かぶりは2万円

つぶやき

 いつもであればアルコールが胃から頭に回って、朦朧としてパソコンと向かい合っている時間。大腸カメラのせいで1週間ほど禁酒しなければならない。

 酒は入ってはいないが、なんとなく朦朧としている。少し白内障があるらしく、パソコンの画面がクッキリしない。頭もなんとなくクリアーではない。飲んでも飲まなくても朦朧である。

 2時過ぎにテレビのスイッチを入れると相撲中継。偶然にも朝乃山が控室に通じる通路を歩いているところが映る。場所中の朝乃山を見るのは何年ぶりだろうか。幕下勝ち越しを決めている。来場所は関取に戻る。楽しみである。

 今日は大一番があった。安青錦と草野の一番。朝乃山に次いで安青錦のファンである。理由はハンサムだから。それにウクライナびいき。

 残念ながら安青錦は負けてしまった。3敗。草野という力士を何場所か前から耳にしていたが、なかなか強い。大の里に続く本格的な力士という印象を受ける。

 その取組から3つ目に、熱海富士と髙安の一番。いい相撲であった。控えに戻る熱海富士の悔しそうな顔と仕草が映っていた。目の細いアンパンマンのような顔をしているが、素直そうな青年である。

 髙安が大関を陥落してどのくらい経つだろうか。たしか一緒に大関を陥落した豪栄道は引退してしまった。高安は頑張っている。いつもエライと思う。
 
 琴勝峰は霧島と。霧島はここ一番に弱くなった。霧馬山から名前を変えるからこういうことになる。

 結びは大の里と若隆景。今場所で若元春と若隆景の顔の識別がやっとできるようになった。若元春の方が柔和な顔をしている。

 大の里の勝ちに終わったが、懸賞は両手で受けるような枚数であった。今場所の優勝に関わる安青錦と草野の一番では3,4枚であった。優勝に関係のない取り組みになぜこんなに懸賞がかかるのか。

 向こう正面左側の砂かぶり席に、いつも見かける和服の女性と、その亭主と思われるサングラスをかけた男性が、今場所も同じ席で観戦している。
 両国場所でも見かけたと思うから、毎場所開催地が変わっても観に行くということなのか。何者なのだろうか。

 しかし砂かぶり席というもの、椅子席ではないから背もたれもなく、女性は正座したまま観戦することになる。疲れるのではないかと思う。昔のゴザ敷きの雰囲気を残そうということなのであろう。

 ひとつ気がついたことがある。この席で観客が酒を飲んたり食事をしている姿を見たことがない。出入り業者がお土産入りの手提げ袋を観客席に届けている姿も、砂かぶり席では見たことがない。

 砂かぶり席から離れた普通の観覧席では、食べたり飲んだり力士の名を書いた手ぬぐいを広げたりしている。砂かぶり席ではそういうことは一切ない。
 
 なぜなのか。相撲観戦をしたことがないからはっきりとは言えないが、見世物としての相撲は、力士と土俵と釣り天井の屋根だけではなく、砂かぶりの観客を含めた4つのセットで演出されているのではないだろうか。

 砂かぶりから遠く離れた椅子席の観客は、砂かぶり席にいる観客を含めて相撲を見ることになる。砂かぶり席の観客も「相撲」なのである。そういうことではないだろうか。

 砂かぶり席は力士が飛び込んでくるところでもある。それも「相撲」ということなのであろう。相撲協会は観客が怪我したとしても一切責任を負わないとしている。それを承知する人だけが砂かぶり席に座るということである。

 砂かぶり席は1人2万円だそうである。どの場所においても500席のみ。そのうち300席は維持会員に当てられ、一般販売は残り200席だが、手に入らないらしい。
 

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