最近、歌舞伎役者が出演している日本一の建売会社という不動産屋のCMを見ない。ネットには建売業界不況という記事が掲載されているが、そういうことだろうか。
バブル崩壊後、建売住宅はよく売れた。なにより住宅ローン金利が圧倒的に低かったからである。
私が20代のときマンションを買ったが、金融公庫の金利は5.5%、銀行金利は9%くらいであった。
大量に建売住宅を販売してきた業者には共通点がある。
建売はなにより土地を仕入れなければならないから、高くても買うということである。ここがこのような業者のポイントである。
土地値が高いから、全体価格を売りやすい価格にするには建物の価格を抑えることになる。
建物の価格を抑えることについて業者たちがやってきたことはコストダウンとオプションである。
コストダウンとはやるべき工事をしないことである。例えば床をしっかりとしたものにするには部材を2枚敷き込むところを1枚にするということになる。建売を見に行って床が揺れていることが多いのはこのためである。
オプションとは、網戸はもちろん2階トイレ、雨戸などはすべて標準仕様に入っていないとすることである。無くても生活に困らないから、予算はないが戸建てに住みたいという人は納得して買ってしまう。
大量に建売住宅を売ってきた会社は大体同じような営業スタイルである。もちろん買った住宅がすぐに傾いてしまうというほどひどいものではない。
建売業界の好況を支えてきたのは住宅金利であるが、もう一つ核家族ということがある。親とは別に住むということが住宅業界を支えてきた。
こういっては建売業界の人達に申し訳ないが、建売不況は来た方がいい。あまりに安直に建売業者は儲かりすぎている。
築20年くらいで建て替えなければならないというのがそもそもおかしい。
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