定年退職した人が、その後の時間をどのように過ごしていくかについて、いろいろ耳にし目にするが、私は自営だったので死ぬまで仕事をするつもりでいたから、自分にはあまり関係のないことと思っていた。
癌の手術と頚椎症の手術のためにこの3月で仕事を廃業し、4月、5月と病院で過ごした。
6月に入って自宅で過ごすようになってから、気持ちの中に妙に落ち着かないものを感じるようになった。適当な言葉が見当たらないが、要は「不安感に襲われる」というようなものである。
不安感、焦燥感がつのり、息ぐるしさを感じるようになってしまった。そのことから思いもしなかった心療内科を受診することになった。
肉体の痛みとしての病気のほかに、気持ちのいたたまれなさ、というものが結構苦しいものであることを知ることになった。そして自分の精神力の弱さというものも知った。
医者は早期の鬱だと言う。幸い今のところ症状は悪化には向かっていないが、若いころから持ちこたえていたものが病気などで崩れてしまったのかもしれない、と医療雑誌に書いてあるようなことを考えたりもしたが、若いころから持ちこたえていたものなどない。
がんという多少衝撃的な病を発症し、頚髄に外科的手術を受けたことのストレスが影響していたのかもしれない。
来月早々にPET-CTを受ける。ガンの取り残しを調べるためである。
頚椎症の手術の効果はまだ出ていない。相変わらず歩きにくい。いい方向に行くことを願うばかりである。(了)
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