今日は28年前、阪神・淡路大震災が発生した日である。
今年は大正の関東大震災から100年目の年になる。
12年前には東北大震災。そして6年前には本震が2回あったという熊本地震が起きた。
南海トラフ地震、首都直下地震が取りざたされている。地震大国日本と言っても余りに犠牲が多すぎる。
今から150年前イギリスの女性学者が、地球上で人類が生息する地域として最も危険な地域、と指摘した日本の国土。ここに生きる者の運命と思わなければならないのだろうか。
阪神・淡路大震災は明け方であった。私はすでに起床していて、朝風呂から出たところであった。
関東地方も揺れた。観測史上はじめて記録するという震度7の地震。ビルは倒壊し、高速道路が横倒しになっている。
知り合いの銀行支店長が神戸支店に転勤になっていた。ベッドに寝ていて1メートルくらい飛び上がったという話を後日聞いた。直下型地震で震源が浅かったらしい。
倒壊した家屋の下敷きになり、動けないところを火災に襲われ命を落とした人がいた。神戸の町が燃えている。映画のシーンを見るような光景だった。
死亡者は6,400人を超え、建物全半壊は25万棟にもなる。死亡者の9割は住宅倒壊による圧死であったという。
避難所のあり方がいろいろ問題にされた。体育館などが避難所になったが、プライバシーに対する配慮が全くされていなかった。
配慮がされていなかったというより、全く考えていなかった、と言うべきなのであろう。
避難所は寝るところと毛布あればいい、というのが日本のお役人の考え方だった。
外国ではまず何よりもプライバシーを大事にするという。外国人には信じられない状態だったらしい。
以前触れたことであるが、ある避難所ではせっかくストーブがあるのにそれを市役所の職員が使用させなかった、という話がある。
ストーブのない避難所との公平のためだという。お役人というのは、前例踏襲や形だけの公平ということにこだわって、地に足が着いた思考回路を持っていない。
この大地震によって避難所の在り方がその後いろいろ問われるようになった。段ボールなどにより避難所に仕切りを設けることが行われるようになったという。
なんでも我慢するのが日本人の美徳とされていた。しかし我慢することが美徳というのもおかしな話である。誰だって我慢などしたくない。国が国民に我慢を強いたということではないか。
28年経っても家族を失った悲しみは消えることはない。
亡くなられた方たちのご冥福を祈るばかりである。(了)
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