「世界のトヨタよりも…」子や孫に入ってほしい勤め先、2位は国家公務員、1位は?
1位は地方公務員。トヨタは3位。
公務員になることを目指して大学受験をして、公務員の予備校に通う。
証券会社のボーナス袋が立つという話はいつの頃のことだったか。
家族に根強い“安定志向”。批判できることではない。
ここ2、3日、東大法学部に現役で合格して、裁判官に進む道を自ら捨て、うたごえ喫茶の歌手になった人のことを考えている。
なぜ考えるかと言えば、私にはどうも生き甲斐なるものがないが、この人は生きがいだらけなのではないかと思うからである。
この人は先日94歳で亡くなった知人の息子さんで、今年で68才になる。知人より息子さんの方が私の年齢は近い。
今から30数年ほど前、知人から「今日息子がテレビに出ます」という話を聞いて、息子さんが裁判官ではなく、うたごえ喫茶の店長兼歌手をしていることを知ることになった。
法律家を目指し東大に入った息子が、うたごえ喫茶の司会をやり、歌を歌い、料理を作ったり皿洗いをしている姿がテレビに映っている。知人は何を思うのだろうか。
その後どうされているのかは全く知らなかった。うたごえ喫茶はやめてもっと固い仕事にでもついているのかと思っていたが、知人が亡くなったことから、奥さんや娘さんと話す機会があり、息子さんがまだうたごえ喫茶で歌手活動をしていることを知った。
ネットで見てみると「出前うたごえ」とか言って、全国各地を飛び回って活躍しているらしい。
うたごえの世界ではベテランと言われ、その華麗な経歴からフアンも多いという。
裁判官よりうたごえ喫茶の歌手の道を選ぶ。東大法学部であれば司法試験などはどうにでも受かったはず。なにが彼をそうさせたのか。
歌が好きだったということだろう。それにうたごえ喫茶に人生の豊かさを見たのかもしれない。
なにしろ東大法学部である。旧統一教会の顧問弁護士になる者もいれば、多分大した収入にもならない仕事で人生の楽しみを歌い上げる人もいる。
いずれも、三流か四流か、数えるのに苦労するような私大の夜間部卒の者には理解できる世界ではない。
自慢の息子が裁判官の道を捨ててうたごえ喫茶の歌手になる。親としてどれだけの無念に知人は葛藤したか。
そう思っていたが、そうではなかったかもしれない。知人はそのことについて一切愚痴めいたことは言わなかった。
人生何が大事か。分かっていない者にはずっと分からないことである。


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