松野さんもちょっとまずいことになったのかもしれない。かなり憔悴しているように見える。政治家としては誠実な人らしいが。
昨夜7時のニュースでは、松野さんの他に2人の議員の名が挙がっていた。いずれもキックバック1000万円。キックバックなら大丈夫と思ったのか。
別に政治家を弁護するわけではないが、皆さん青雲の志をもって政治家になったはずである。金儲けのために政治家になったとは思えない。
政権党には不祥事がつきまとう。悪い人間がいるということではないと思う。金を必要とする政治の在り方の問題である。
政治には金がかかる。選挙に金がかかるということだろうか。
「政治は数、数は力だ、そして力は金だ」と言ったのは田中角栄である。この言葉に納得する時代があったが、政治が金にまみれた時代であった。
政治に品が無くなったのはこの時からであったように思う。
「活力が充実していて、やる気満々で、どんな批判があってもいい、自分の夢を実現したいという人たちがポストについていない。本来、国会議員は尊敬されて、憧れられる存在でなければならない」
ネットに載っていた田中角栄の娘・田中真紀子さんの言葉である。悪くない。いい言葉である。現役のときにそうであれば言うことない。
岸田さんにしてみれば何も悪いことはしていない。政策に大失敗したわけでもない。思想的には安倍さんよりずっといい首相である。権力争いの足の引っ張り合いがされているということだろうか。
このままではいい政治家がいなくなってしまう。国会は落ち目のタレントや二世議員が食べつなぐ場所でも就職先でもない。野党は雲集霧散である。
でもしかし、いい政治家というものはなかなか出てこない。
熊本の殿様には期待したがやはり世間知らずであった。壊し屋は壊し屋に過ぎなかった。二酸化炭素25%削減、最低でも県外。なにを考えていた人だろうか。自民党をぶっ壊すなどと政治をキャッチコピーにした人もいた。そして祖父の代からの因縁で非業の最期を遂げた人がいた。
選挙の投票率が低い社会とはどういうものなのか。「投票したい候補者がいない」、「投票したい党がない」。批判はできない、無理もない理由である。
しかしそれではダメなんだと言っても変わるはずもない。なんとか食べていけるのは政治のお陰ではないからである。
経済のことさえやってくれれば、株さえ上がってくれればそれでいい。安倍政治を支えたものはそういうことであった。その間、後々問題を残すいくつもの法案が国会を通過した。
松野さんはまだ若そうに思ったが60歳になる。岸田さんは66歳である。話題になった桜田さんは73歳。
大臣なら60代が働き盛りということになるだろうが、若い議員たちが政治家として活躍できる場がないのではないかと思う。党内の人脈つくりというのが仕事になっているような感がある。
若造の出る幕ではないと長老たちは口を揃えるのだろうが、やはり長老は時代とずれている。
二階でおとなしくしていればいいものを、最上階からぶつぶつ訳の分からないことを言う年寄りがいる。
あそう、とだけ言っていればいいものを、横から余計な口を出すからか、口の曲がった年寄りもいる。曲がった口から出るものは曲論でしかない。
30代、40代の人たちが政治の中枢にいなければ、時代に添った政治になるはずがない。(了)
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