今日は半年ぶりの頚椎症性脊髄症の経過観察日。前回は春の終わりごろだった。
次回の検診は半年後でいいでしょう、という医師の話を聞いた時、それまで生きているだろうかと思った。
CT検査を受ける。「9月にPET-ctをやったので被ばくは大丈夫か」と若い技師に尋ねると、「全く問題ありません」と言う。放射線関係者は誰も同じことを言う。問題があると言ったら商売にならない。
CTなどによる被ばくが原発不明がんの発症原因になっているという学説があるではないか、と言おうと思ったが、逆恨みされて余分に照射されても怖いのでやめた。
結果は「特に変化なし」。医師はいつものように手首や足首の反応を見るだけ。手術を終えて4年近くなる。そろそろ定期検診も終わりかなと思ったらまた半年後。
この医師、整形外科では有名な人であるが、都内の国立病院の院長を退官してから小さな病院の嘱託医師を何軒も掛け持ちしている。なにかあった人ではないかと思う。
5年ほど前、いい医者が近くにいると聞いて行きはじめたが、初診から1年経っても「手術をしましょう」とは言わなかった。私から言い出して、「それなら手術をしましよう」ということになった。手術をしても無駄だということだったのか。
筋トレしてもリハビリしてもマッサージをしてもなかなか思うように歩けない、と恨みがましく医師に言ったら、歳のせいでしょうと言う。その歳になると筋肉がつきにくいと言う。肉を食べてたんぱく質をとった方がいいですよと言う。それも鳥の胸肉がいい、と付け加えた。
栄養学校に来ているわけではない。何のために手術をしたのか。
頚椎症性脊髄症は耳慣れない病名であるが、稀有な疾患ではない。患者数はかなり多い。芸能人にも何人もいるが、ここに書くまでのことでもない。
脊髄が骨棘などにより圧迫され、それによって手足のしびれやマヒ。病状が進めば排尿・排便に支障をきたし、最悪歩行困難、寝たきりとなる。
手術をすれば回復するのではと思うが、どうも歩きにくい状態にまでなってしまうと回復は無理なようである。
「神経が損傷するとなかなか…」と、この3年来医師が初めて口にする言葉を耳にした。最初から言ってくれ、と言いたい。
半年ぶりの整形外科。言い方に気をつけたら言い表せない病状の人たちが病院のロビーを埋めていた。
私にはまだ多少の若さがあると思ったが、「歩きにくい」の先にあるのは「歩けない」である。執行猶予の身であることを痛感する。
「人間歩けるうちは死なない」という医師の話があった。「そうかそれはよかった」と思ったが、当たり前の話ではないか。
幽霊には足がない。みんな歩けなくなって死んでいくのである。



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