「小泉さんが首相になってG7に出席したら、知的レベルの低さで恥をかくのではないかと、皆さん心配している。それこそ日本の国力の低下にならないか。それでもあえて総理を目指すのか」
きのうの小泉進次郎氏の出馬会見で、フリージャーナリストの1人が小泉氏に問うた内容である。
失礼な質問である。フリージャーナリストということだから、なにか突拍子もないことを言わなければ記事の買い手がつかない、ということなのだろうか。
一部だと思うが、ジャーナリストの質の低下がひどい。
それに対する小泉氏の対応が、よかったのかどうかは何とも言えないが、うまく切り返したという見方もできるし、最初からの筋書き通りではないか、とも見える。
印象としては格好良くあしらっていたが、あの顔つきはひと昔前のものである。真剣で熱心で邪心が無いように見えるが、人があのような顔つきをしてしゃべる時は、大体腹に無いことを言っているものである。
彼にはやはり「セクシー」という、わけの分からない言葉が似合う。父親と同じで、キャッチフレーズで会話を終わりにする癖がある。
小泉家はどうも知的レベルを問われるようだ。知的レベルを言ったら他にも数えきれないほどの政治家がいると思うが、小泉家の場合は特に目立つらしい。父親の純一郎氏には侠客のような雰囲気があった。
政治家が学歴を問われることは、人によっては辛いことのようだ。
古くは田中角栄氏。「わしは東大を出ていないから、東大出の人間を雇っている」という言葉は彼らしい。金で何でもできるとした人である。
進次郎氏の記者会見で、「私に足らないところが多くあるのは事実だと思う。しかし、その足りないところを補ってくれる最高のチームをつくる」と説明していた。角栄の言葉を思い出したのではないだろうか。
「最高のチーム」をつくるということがやはり古いし、嘘っぽい。作れっこないし、「最高」という言葉に作意がある。
進次郎氏には学歴ロンダリングの話が付きまとっている。小池氏と同じようにとぼけているしかない。学歴でコソコソするようでは、立派な政治家になれるはずがない。しかし小池氏の訴追はその後どうなったのだろうか。
岸田さんはいつまでも、東大受験を失敗して早稲田出身であることを負い目としていた人である。だから早期退陣することになった。森喜朗氏のように裏口だ、ラグビー部で正式学部の出身ではないと言われても、しゃあしゃあとしていればよかったのである。
安倍さんは早稲田どころではない私学の出身であったが、人事権を武器に、東大出の官僚たちを無視したから長期政権となった。
東大は、受ければ受かったが、潰瘍性大腸炎で試験会場に行けなかった、ということにしていたかどうかはハッキリしない。
自民党総裁選の立候補者たちが揃ってきたが、彼らの公約というのは誰に対して言っているのだろうか。国民は総裁選に参加できない。
考えて見ると、内閣総理大臣になった人が選挙の際に、その公約を国民に約束する場がない。所信表明演説は総理になってからのことである。
総理になってしまえば何でもできるとしたのが安倍さんで、何もしなかったのが岸田さんである。国民にとっては岸田さんの方がいい。
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