近所のお節介好きなおばあさんが、昨年の11月に亡くなっていた。
知っている人は知っていたようだったが、5軒先に住む人の死が家内の耳に入ったのは、亡くなってから2ヶ月以上も経ってからのことであった。
84歳だったという。皺の中に目と口があるような人だったから、そんなに若いはずはないと思っていたが、知ってみれば確かにそういう歳であった。
お節介の過ぎる迷惑な人であったが、障害を持つ息子さんを昨年亡くし、大分気落ちしていたらしい。
結構大きな家である。旦那さんがひとり暮らしになった
我が家の前を通る人に、ひとり暮らしの人が多くなってきた。ほんの何年か前までご主人と一緒に歩いていた人たちである。みんな一人になってしまった。
ひとり暮らしの人を見るのも辛いものがあるが、老夫婦らしい老夫婦を見かけると、あらためて老夫婦というものを考えてしまう。
老夫婦らしい老夫婦とは、どちらかが弱っているように見える夫婦のことである。
人生には老人の他に老夫婦というものがある。ふたりとも元気に老いていければいいが、そううまくはいかない。
病める時も 健やかなる時も
富める時も 貧しき時も
妻として(夫として)愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?
結婚式の誓いの言葉に、「若い時も老いた時も」という言葉はない。
昔はあまり長生きではなかったせいかもしれない。
しかし「富める時も 貧しき時も」というのもすごい言葉である。
老夫婦はいずれひとり暮らしになる。ひとり暮らしはしたくないし、させたくない。
老夫婦らしい老夫婦を見かけるのはつらいことである。
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