物価が安いのは後進国

つぶやき

 昔はアジアの貧国と言われた国の人達が日本に観光に来て、日本の物価や食事の安さに驚くという姿を最近テレビでよく見る。
 一昨年、娘の家にホームステイしたフランスの高校生も、日本のお菓子の安さにびっくりしていた。

 外国の食事の値段は知らないが、ハワイで簡単なランチを取ったら5,000円近くも払ったという話を知人から聞いたことがあるが、この話には私がビックリした。

 ラーメン屋の倒産が続いているというレポート記事をこのところ頻繁に見かけるが、ラーメンも2,000円3,000円の価格で売ることができれば経営は安定するらしい。

 電気・ガス・水道の値上げと、材料費、人件費が高騰すれば価格に転嫁する他にないが、そうすると客足ががた減りしてしまう。
 
 イヤなら使わなければいい、イヤなら買わなければいいという公共料金や大手食品会社の値上げは、「価格改定のお知らせ」で終るが、そうは言えない飲食店などはそうはいかない。

 2,000円3,000のランチはどうやら世界では当たり前らしい。日本人がそう思えないのは、日本人の収入が世界並になっていないということである。

 かつてのアジアの貧しい国には失礼な言い方だが、日本はかつてのアジアの貧しい国より貧しい国になってしまった。
 日本の政治家は「しっかり しっかり」と言うが、こういうことこそしっかり受けとめるぺきである。

 いまさらいうまでもなく日本は衰退している。大げさに言えば破滅に向かっている。直近の例で言えば米高騰、出生数の減少。
 数十年も前から衰退が始まっているというのに、将来を見据えた政策というものが行われることがない。

 昭和30年代から40年代半ばにかけて、コメは「今年も大豊作」と報じられていた。コメは大豊作であって、国も国民生活も安定、という感があった。

 減反政策は昭和45年からのことらしい。その政策がよかったのかどうなのか、正確なことは私には判らない。ここに書いたところで請け売りになる。

 ただ一つ気になることは、減反政策が行きついた先で、コメ政策を担当する農水省の大臣が、いつまでもコメは余っている、と発言していたことである。
 昨年の夏ごろからコメ不足は言われていた。

 コメの価格は昨年の倍。5キロ1,000円が2,000円になったということではない。5キロ2,000円が4,000円5,000円になったいうことである。
 これほどの値上げ率を示した価格高騰というものが今まであったであろうか。異常を超えている。

 なのに「コメは余っている。備蓄米を放出すれば価格は下がる」
 しかしコメは不足していた。備蓄米を放出しても小売りに出回らない。
 なぜこんなことが起きるのか。大臣がなぜ実体を把握できないのか。

 JAは伏魔殿なのかどうかは分からない。
 小泉農相に苦言を呈し、物議を醸している野村哲郎元農相が、JA関連団体から約7,000万円の献金を受けていた。

 「コメというものは素人が考えるほど簡単なものではない」
 いや簡単なものなのだ。複雑にしているだけなのだ。
 
 「コメはお百姓さんに感謝しながら食べるもの」と子供の頃から教えられてきたが、国民に感謝させているスキに、どこかがこっそり儲けていたようだ。

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