歳を取ったらそれなりに

つぶやき

 最近若くてハンサムな俳優さんがずいぶん多い気がする。こんなにたくさんの俳優さんたちがいて、出演する映画やテレビドラマはあるのだろうかと変な心配をする。

 少し前にも若い俳優さんが何人も出た時期があったと思うが、その時知った俳優さんの名前は妻夫木聡とか東出昌大であった。最近この人たちの名前の読み方をやっと覚えた。

 以前「とんび」というドラマがあった。妻を失った男が幼い子供を育て上げる話である。妻が面白そうに見ていたドラマなので私もたまに見ることがあったが、そこに出演していた若い俳優の印象があるのだが名前を憶えていない。

 最近よくテレビに出ている亀梨和也という俳優さんかと思っていたら佐藤健という俳優さんであった。

 名前も覚えられないし顔の識別もできなくなってきたようだ。テレビを見るなら見るで、しっかりと見なければいけない。何事もいい加減なことが認知症の原因になるかもしれない。

 若い二枚目俳優のことを書こうと思ったわけではない。年配の俳優について思うことがあるのである。

 若い俳優さんたちがきれいにテレビに映ると、年配の俳優たちの年寄り臭さが目立ってしまう。

 NHKの朝の連続ドラマで人気の出た吉田鋼太郎という俳優さんがいる。そのドラマで、成金で粗野な実業家を演じていたがそれがなかなか面白かった。

 その評判から人気が出て、今ではよく見かける俳優さんになったが、逆に魅力がなくなってしまったように思う。軽薄そうに 見えてしまうのだ。

 國村隼という俳優さんも個性的な役者さんであるが、やはり年寄りになっている。どちらかというと見やすい顔ではない。

 お二人とも60代の半ばを過ぎているが、若い俳優と一緒に写っているたった一コマの映像で年齢を感じてしまう。

 人気のあった俳優さんたちがどんどん年を取っていく。歳に似合った役柄であればいいが、若作りをしてはかえって歳を露呈するようになってしまう。一緒に出る俳優さんが美しいほどに若いからである。

 今もシリーズが続いている警察ドラマの主人公の俳優さんは、若い俳優を出演させないという。

 その俳優さんは若いと思っていたがすでに70歳を超えている。ドラマではまだ50歳くらいの役ではないだろうか。

 70歳を超えて若い役を演じるということは、若い俳優を出さないことに限る。この人は若い頃から人気があったようであるから、若さというものをよく知っているようである。

 昔の俳優さんは歳をとったら風格で演技をしていた。そういう役柄が映画やテレビにはあったのであろう。今は風格は敬遠される。

 歳をとってもテレビなどに出ているうちはまだ多少は若いということである。俳優さんたちは見かけなくなるとそのままである。

 その後老人ホームなどでの死去が報じられるとしばし感慨にふける。
 名前が思い出せず、「老人ホームで死んだ俳優」と検索すると山城新伍と出てきた。
 生前の派手な話からすると寂しい話である。 (了)

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