家の登記をして、権利証さえ持っていれば安心だ、誰にも権利を盗られることがない、と理解している人が多い。しかしそんなことは全くない。誤解である。誤解させられていると言ってもいい。
登記には権利証という書類はそもそも存在しない。
登記は公示制度であって、権利の証明制度ではない。
ではなぜ権利証と言うようになったのか。「登記済証」、現在では「登記識別情報」と呼ばれる書類、情報に対して、司法書士たちが勝手に権利証という名称を付けたからである。
「登記済証」、「登記識別情報」は、いずれも登記所の本人確認手続きのために、登記完了後申請人に交付するものである。
ではなぜそれを権利証と言うようになったのか。登記は公示制度に過ぎず、権利を国が証明するものではないということが国民に浸透しなかったからである。
登記をすれば国が自分の権利を守ってくれる、という国民の誤解を解いては登記に対するありがたみがない。
そこで登記済証という書類に権利証という文字を足して、「登記済権利証」という名称にした。したのは司法書士たち。
登記は権利を証明するものではなく、「この者が自分が権利者であると名乗り出ている」ということを掲載しているだけのことである。このことがなかなか理解されない。
名乗り出た者を公示しているだけて、この者が権利者であると公示しているわけではない。
コメント