このところ歌を口ずさむ。のどの手術をして以来、昔のように歌を歌えなくなったが、口ずさむことはできる。
声がひっくり返るようなことがなければ、「再発していないな」、と勝手に思うことにしている。
がんは初期症状がないことが多いが、喉頭がんは声の変調を初期症状として現れるから、初期の内に発見されることの多いがんである。
来週3ヶ月ぶりの検診。手術後3年が過ぎたことになる。
喉頭がんの再発には諸説あり、「再発しやすいがんである」、「2年内の再発が多い」、「5年経過しても再発はある」といった、人を心配させる医師の見解がネットに多くある。
このところ歌を口ずさむのは、検診が近いせいなのかも知れない。
なぜか、「君と歩いた 信濃路の 流れの岸の 幾曲り…」という歌を歌っている。ゆったりとした3拍子の抒情的な歌であるから、口ずさむにはちょうどいい歌である。
誰が歌った歌なのか、曲名も知らないが、この歌を歌った歌手の声に覚えがある。
その声をたどってみると、あの声は三橋美智也ではないか、と気がついた。
三橋美智也が歌った歌のリストを見て、「石狩川悲歌」という歌であることを知った。
しかしメロディーは間違いないが歌詞が違う。
「君と歩いた 信濃路の」ではなく、「君と歩いた石狩の」であった。
どうして石狩を信濃路と思ったのか。
この美しい3拍子の、「君と歩いた」道は、信濃路が似合うと思うのである。
三橋美智也さんと石狩川が結びつかない。三橋さんは東北、それも青森あたりという気がする。
「リンゴ村から」ということではない。「母恋吹雪」や「哀愁列車」には東北を感じるが、北海道ではないような気がするのである。
「君と歩いた」あの道は、石狩川では大きすぎる気がする。恋の別れに北海道の雄大な景色は似合わない。
やはり青春は信濃路なのである。
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