外国からの旅行者は、「日本人は親切だ」と言うが、例えば日本に留学している人のように、何年か日本に住んでいる外国の人は、「日本人はそんなに親切ではない」「冷たい人たち」だと言う。
日本人は客に対しては、破顔ともいうような卑屈にも見える態度で接するが、客でないとなれば一転、「愛想よくして損した」などと言いかねない面も持っている。
日本人は使い分けをしているという。「恥の文化」とか「本音と建前」というのは、使い分けのことを言っていることなのであろう。
日本人は外国人も使い分けしているようだ。ヨーロッパやアメリカの人には親切だが、東南アジアやアフリカの人にはあまり親切そうには見えない。
日本の社会がすべて不親切だと言うのではないが、NHKやNTT、クレジット会社などへの電話は本当に不親切だと思う。まず一発で電話が通じたことがない。
長い前置きを聞かされて、指定の番号を何回もプッシュさせられて、それでも、「ただいま電話が大変混みあっています。しばらく経ってからおかけ直しください」ということになる。つながるのは何十回もかけてからのことになる。
便利なのは先方だけで、こちら側のことなど何も考えていない。
生活地域で唯一あったデパートが閉店セールをしたときの店員さんたちの不親切はひどいものであった。
店員にしてみれば職を失うのであるから親切にしてもいられないだろうが、いい人であるのも良くない人であるのもその時の立場次第である。
このところ車のセールスマンや墓地の販売担当者などと会う機会が多かったが、受け取る名刺の字の小さいことに驚いた、というより腹が立った。
1ミリもないような字で電話番号やメールアドレスが記載されている。
墓地を来訪する大半の人は高齢者だと思うが、なにを考えているのだろうか。
昨年、介護保険によるリハビリを受けるため施設の担当者と面談したが、その際にもらった名刺も同じように字が極端に小さかった。
「高齢者施設の名刺としてはいかがなものか」と指摘したら、「気がつきませんでした。検討させていただきます」との答えだった。
最近人と接触すると不愉快なことばかりとなる。
昨日フランスの車の販売店に行ったが、車を店に入れたとたん係の人が出てきて、「名前と要件を話してください」という。
車屋に来たのだから車を見に来たのは当然のことであるし、いきなり名前を名乗れ、と言うのも今までに一度もない事である。
車から降りることもなく、そのまま引き返したが、私がおかしいのであろうか。(了)
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