小池さんが3選出馬をするかどうかは知りようもないが、学歴詐称に関してはやはり不可解な部分が多い。
本やネット記事を鵜呑みにするわけではないが、それらには学歴詐称を疑うに足る合理性と話の内容に自然な流れがある。
学歴詐称に対する小池さんの反論は、「卒業を証明できるのはカイロ大学だけで、そのカイロ大学から卒業証明書が発行されている。これ以上の証明はない」ということである。
まさに訴訟における要件論である。状況はあくまで推測で証拠にならないと言っている。非の打ちどころがない。
留年したとか、日本に一時帰国したとか、カイロ大学が作成した文書の下書きを小池さんがしたとか、いろいろつじつまの合わないことがある。
そのことについて小池さんは一切答えていないようだ。世論を納得させるにはそのことへの説明が一番いいと思うのだが、「卒業を証明できるのはカイロ大学だけ」で押し切るのであろう。だから疑惑が深まる。
ことによっては晩節を汚すことになるかもしれない。
カイロ大学の卒業証書は金で買える、ということは現地では驚くような話ではなく日常的なことらしい。
小池さんの父親は商売を通じてエジプトの要人とも関係があったとされている。
学歴詐称を取材するジャーナリストに対するエジプト関係者の恫喝もあったという話もある。
エジプトという社会は、西洋合理主義では理解できないところである。
大谷選手の通訳者であった水原一平が有罪を認めた。この人は学歴詐称をしていたらしい。学歴は13年間と裁判官の問いに答えたということだから、大学卒としては数字が合わない。
カイロ大学の証明は、4年間で小池さんは卒業したことになっている。小池さんは自身の著作の中で1年留年したことを述べている。これも数字が合わない。
タブロイド新聞などでは、お父さんの人間性まで書き始めている。
ちょっと時流に乗ってやり過ぎてしまったのか、剛腕を発揮して乗り切るのか。成り行きによっては、一人の女性の人生というものを考えさせられるケースである。(了)
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