政治と学問

つぶやき

 このところの国会議員の報道を見ると、政治とはそもそもなんなんだ、という気になる。

 こんな連中が政治をやっているのかと、あきれもするし、嫌気もさすし、情けなくもなる。言うまでもなく高市議員やNHK党に関することである。

 高市議員はその師と仰ぐ安倍元首相の言葉を自分も言ってみたかったのであろうが、やはりあの人の顔つきは普通ではない。NHK党の党首という人間もガーシーという人間もまともな人間ではない。

 政治学という学問の分野があるが、政治家を見ていると政治が学問になるはずがないと思う。

 田中角栄は学問で政治をした人ではない。お金で政治をした人である。田中角栄が生きていたら「キミね、政治なんてものはね、学問じゃないよ、金だよ」とあのダミ声で言うはずである。田中角栄が社会科学を身に着けていたら田中角栄は存在しなかった。

 政治学とはどういう学問なのであろうか。法律学や経済学と違ってすぐに、これだ、というものが出てこない。ネットで調べられるような安直なことではないだろうが、手近にあるから調べてみた。

 政治学とは、「より公正で人々の幸福度の高い生活を送るにはどのような政治がおこなわれるべきかを研究する学問です。 しかし政治に直接関わりのあるものだけを見るのではなく、政治史、政治理論、政治思想、公共政策から社会問題や国際政治なども分析し研究することから、総合学との見方もされています」とある。「政治に直接関わりのあるもの」を知りたいのに、そのことの記述はない。

 「政治に直接関わりのあるもの」についての説明がないから勝手に考えてみると、それは選挙のことではないか、ということに思いつく。選挙はまさに政治そのものではないか。しかし選挙学という学問は見当たらない。

 さらに考えてみると、選挙とは結局権力把握の手続きではないか。政治は権力である。そのことを政治は堂々と主張するべきである。

 民主政治という言葉には、政治は権力そのものであることを隠ぺいする響きがある。そんなことを思いついたりする。

 政治を語るには、権力というものを取り上げなければならない、と思う。しかし権力はどうしたって学問になることはない。なぜなら、人を殺して成り立つという本質をぬぐえないからである。「政治に直接関わりのあるもの」とは権力のことである。ネットも書きにくいのであろう。

 大学は政治学をどのように位置づけているのだろうかと、ふと思った。各大学の学部を調べてみると、東京の六大学において政治学部という学部をもつ大学は一つもない。

 政治経済学部が早稲田と明治にある。他は法学部に、法律学科と政治学科として設置している。東大、慶応,立教、法政である。

 あれほど政治家を輩出している東京大学に政治学部がない。法学部の政治コースということになるらしい。そういえば東大法学部出身、東大経済学部出身という話は聞くが、東大政治学部出身という話は聞かない。

 私には縁のない大学であるから今になって気がついた。京都大学はどうだろうと調べてみると、やはり政治学部というのはない。

 日本を代表するような大学に政治学部がない。どういうことなのであろうかと思うが、私の考えなどが及ぶものでもないから考えるのはやめておく。

 しかし少なくとも明治維新後の大学草創期(その時代には大学とは言わないが)、政治学というものが独立した学問と捉えられていなかったことは事実であろう。

 中央政治から下野した大隈重信が創立した早稲田大学には政治経済学部がある。ワセダの政経と言えばこの大学を代表する学部である。

 椿山荘(目白台)の高台から政敵山縣有朋の監視を受けながら、学問の自由を唱えた政治家である。政治経済学部には大隈重 信の強い意志と見識が感じられる。

 こんな話を読んだことがある。今で言う大手町周辺は江戸時代から湿地帯であった。明治維新の後、そこを神田駿河台の台地を崩して埋め立てをして、大手町の官庁街を作った。
 
 役所で働く下級官吏は当然のことながら、それまで行政とか経験したことがない。法律といっても当時はすべてフランスやドイツ、イギリスの輸入概念である。判るはずがない。

 この官吏たちが法律を勉強するため、取り崩した台地の後に、法律専門学校が作られたということである。

 駿河台周辺に私立大学が多いのはそういうことである。みんなスタートは法律学校であったようである。

 昼間は役所で働くから夜学ということになる。みんな一生懸命勉強したのだろうなと思う。まさに近代日本社会の夜明けに、官吏たちが仕事を終えてから夜学に通っていたとは何か面白い。

 政治家の話から始めた稿であった。高市議員が辞任することはあり得ない。あの手の顔の人は、モラルも恥もなく居座る人である。

 NHK党は名称を変え、党首も変わるそうである。ガーシーなどと言う人物の不祥事の責任をとるということだが、何を言っているのか。あの党首が責任を取るような人間ではないことは誰でも判ることではないか。

 責任を取ったのではない。ほとぼりを冷まそうとしているだけのことてある。国民をバカにしているのである。
 そういえばこの党の党首の名前は私が尊敬する立花隆氏と名が同じ音である。こんな男の名前が同じとは、なにより立花隆氏に失礼である。党名より先に出鱈目悪男とでも名字も名も変えてもらいたい。(了)

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