懐かしい喜劇俳優

つぶやき

 役名は全く覚えていないが、この人が画面に現れただけで腹の皮がよじれるほどおかしかった。

 どれも怪しくいかがわしい。だが、それ以上におかしい。『社長漫遊記』(1963)のウィリー田中。『社長外遊記』(1963)のジョージ・沖津。『社長千一夜』(1967)のペケロ・ドス・荒木。いずれも日系3世。これを演じたのがフランキー堺。

 私と同じ世代の柴山幹郎という評論家が、フランキー堺について述べている。その本の中で役名を知ることができた。
 
 我々の世代、喜劇と言えば森繁の「社長シリーズ」。同じく「駅前シリーズ」だった。

 フランキーの抱腹絶倒の演技を私の筆力では書き表せないが、柴山氏の記述から助けをもらえば、なにより彼の登場の仕方である。

 たとえばジョージの登場の仕方。旧知の森繁久彌が社長を務める丸急百貨店を訪れた彼は、「ハロー……ぼく沖津とおっしゃいましての……昨日ホノルルからいらっしゃいました」と名乗る。あのしゃくれた顔が本当に日系3世ではないかと思ってしまう。

 いずれも決して粗野な役柄ではないが、ジョージの場合は酒乱の気がある。これが実に面白い。接待を受けて奇声を発し、しゃっくりを連発し、座敷で大暴れするシーンなどは、日系3世と言うキャラクターが一層面白くさせる。

 フランキー堺の演技を受けるのが、森繁久彌、三木のり平、加東大介。
面白い映画を作れた時代というものがあった。

「♪ちめたくなったわらしを見とぅけて」と歌えるのはフランキー堺さんしかいない。

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