思うことはひとつのはずだが

つぶやき

 被災地では水も食料も灯油も毛布も何もかも足りない。介護施設の若い女性は、「ひとつのおにぎりを分けて食べている。みんなでこの困難を頑張るしかない」、と涙ながらに話をしていた。
 東京のテレビではお笑い芸人が馬鹿なことを話していた。
 
 被災地は山深いところが多いのであろう。道路が寸断されれば支援物資も届けようがない。

 まだ180人近い人の安否が不明だという。建物の崩壊がすさまじい。昔からの古い建物が多かったのかもしれないが、太い梁が命を奪ってしまうようだ。

 50年連れ添った妻が崩れた家の下敷きになっている。どういうふうに見守ればいいのだろうか。家は命を守るものであったはずである。

 寒い時期に地震は起きるという記事があった。統計的に寒い時期に地震は起きるということはないが、確かに寒い時期に地震が起きている。

 建物が全壊しなければいろいろ持ち出すことができるが、テレビの画面を見る限りそんな状況ではないようだ。ストーブも電気がなければ火がつかない。

 人々は焚火を囲んで暖を取っていたが、もう少しの辛抱です、と思わず口に出る。余震が納まり、道路も復旧すれば援助は早いはずだ。
 
 関東地方に住む団塊の世代は、生まれてから大きな災害を経験していない。
 地震がそうであるが、台風も九州や四国に上陸したような大きな被害をもたらすようなものは来ていない。

 このまま何事もなく一生を終えたいと述懐していた友人がいたが、同感である。しかし誰もがそう願うが、そんな勝手が許されるだろうか。
 
 鳩山由紀夫氏の北陸電力志賀原発についての発言が問題になっている。
 「火災が起きた。それでも大きな異常なしと言えるのか。被害を過小に言うのは原発を再稼働させたいからだろう」という投稿である。

 実際火災が発生したのかははっきりしないが、北陸電力は記者会見で火災の発生を否定している。
 
 この人は責任を伴わない発言を繰り返す人であるという印象がある。いっときは内閣総理大臣にまでなった人である。学業は大変な秀才であったと聞く。

 言うことに事欠いて要らぬことを口にしてしまう。そんな程度の人とは思えないが、そういう人なのだろうか。

 しかし鳩山氏の言うことは真実かもしれない。北陸電力は火災の発生を否定したが、それは火災は発生したが消したということかもしれないからだ。

 なにより火災が発生したということは否定したいのであろう。原発は何の問題がないということをアナウンスすることが電力会社にとっては大切なことである。

 結局、原発の危険を指摘する人は変人扱いされ、当の電力会社は原発神話を繰り返す。福島第一原発と同じようになにも知らないのは国民だけである。

 嫌な言葉を目にしてしまった。「俺の子供を産めや」である。何と汚い下品な言葉であろうか。人間の品性というものを言い表している。

 誰が言った言葉なのかは定かではないが、この言葉が似合う誰かはハッキリしている。こんな言葉を口にする人間が存在しているのである。
 異様は言葉によって作られる。みんな気がついているはずである。

 関東地方は穏やかな三が日であった。同じ日本でありながら正月が違う。どう思ったところで人の不幸は人の不幸である。

 テレビ局はお笑い番組だけである。
 被災地の人たちが1日も早く温かい布団に寝ることができるよう、私にできることは募金だけである。

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