巨悪でなくても眠る

　検察は派閥幹部の立件を見送るらしい。会計責任者との共謀の立証が難しいということのようである。

　しかし変な話である。会計責任者との共謀など立証できるはずはないではないか。
　共謀は示し合わせることである。何も外観を伴わない。バレるはずがない。
　「共謀が立証できないから立件しない」。なんともアホな話である。
　
　共謀がなければ幹部の責任を問えない。そうであれば永久に幹部の責任は問えないということになる。

　収支報告書不記載の主犯は会計責任者で、派閥幹部は従犯という位置づけがそもそもおかしい。会計責任者はいわば雇われ人ではないか。

　政治家に関する問題を立法化するのは政治家であるから、自分たちに都合の悪い法律を作るはずがない。作っても抜け道だらけとなる。

　検察も地団駄踏んで悔しがるのだろうが、法治国家の仕組みとしてどうしようもない。

　検察への批判も高まるであろう。事件が民間のことであれば状況証拠とやらで共謀の事実を作り出すが、政治家の問題となれば捜査の格好は見せたが結局は尻切れトンボ。政治への忖度といわれても反論はできないはずである。

　政治家の不祥事に関する法律は、国会とは別に立法機関を設けるべきだと思うが、それを言い出す政治家がいるはずはない。

　国民は選挙に無関心。堂々と裏金を作っても派閥幹部に刑事責任は生じない。自民党はますますやりたい放題ということになるのではないか。

　こんな話の次に適当な話は松本人志がいいかもしれないが、もはや終わっている感がなくもない。

　名誉棄損で文春を訴えたと書いてあったが、民事とは別に刑事でも訴えたということだろうか。

　もちろんどうでもいいことであるが、異様だなと思っていた芸人が異様な疑いをかけられて、舞台から姿を消そうとしている。

　なるべくしてなったのか。ネット風に言えば、影響力を持ちすぎた松本人志に対する誰かの陰謀なのか。
　いずれにしても事実が明らかになることはないであろう。

　日大の元理事長であった田中英寿氏が亡くなった。
　大学の理事長に相撲部出身者がなるということに違和感があったが、しかし学長と理事長は違うことに気がついた。理事長は経営に関することであった。相撲部出身でも経営手腕は優れていたということであろう。

　よく分からない人であったが、こう言っては出身者の方に失礼かもしれないが、日大自体が不思議な大学である。社会科学から医学・歯学部まである。