定期検診と訃報

つぶやき

 きのうは喉頭がん手術後1年6ヵ月目の定期検診。今のところ再発転移はないということだったが、この日の医師は再発転移について詳しい説明をした。あまり気持ちのいい話ではないが、あらためてタチの悪い病気になってしまったことを知らされた。
 再発率が高いのは術後2年。通算5年間の経過観察が必要。
 何度も聞いた話であるが気が滅入る。がしかし、人生いいころ合いである、という納得の仕方もある。

 帰りの車の中で谷村新司さんの死を知った。私たちの世代は終わったものと思っているが、同じ世代を代表するような人の死は、その現実を直視させられるようで、なんとも寂しい思いがする。
 日本の歌謡史に特筆すべき才能の持ち主だった。ご冥福を祈る。

 友人知人の訃報を聞くことが多くなってきた。若くして亡くなった友人には無念さを思い同情するが、なにか特別な病気でもしたのかと、客観的にいられる自分がいる。しかし70を過ぎての同世代の訃報には身にこたえるものがある。

 当然友人と言えば男性ということになるが、友人の奥さんの訃報に接するのもつらいものがある。結婚式に出席した時の2人の顔を思い出す。
 学生時代、オケでフルートを吹いていた女性の同級生の旦那さんが亡くなったことを聞いた。もちろん旦那さんの顔も知らないが、あのしっかり者であった人がどういう一人暮らしをしているのだろうかと想像してしまう。
 
 その人の生き方にもよるが、人生70も過ぎれば幕はとっくに下りている。もう舞台に立つ必要も無い、と思うか、まだ舞台にいたいと、と思うか。

 運に恵まれた人生であったから、もう舞台に立つ気はない。
 しかしひとつ足りないものがある。それは人生を楽しむことである。医者の話ではまだ少し時間が残っているという。
 せっかく、不愉快なこともなく、嫌な人間ともつき合わないで済む生活になったのだから、精一杯人生を楽しまなければ、幸運であってもつまらない人生で終わってしまう。(了)

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