フランスにホームステイしていた孫が今日の夕方羽田に着く。
出発のときは長いなと思ったものだが、過ぎてしまえば3週間はあっという間であった。元気な姿で飛行機の座席に座っている写真が送られてきた。あと16時間である。
孫はマメに現地での写真を送ってきた。先方の両親もいろいろ気遣いをしてくれたようで、モンペリエの名所など休日には案内してくれたようだ。
船も所有しているらしく、孫からは船酔いしたというメールも届いている。
ステイ先の家はマンションということだが、写真で見る限りシンプルできれいな部屋である。テーブルにはいつも花が飾られ、食事もきれいな皿に美しく盛り付けられている。フランス人の生活習慣ということなのか。なんでもいいから腹一杯になればいい、というのとは大分違うようだ。
ウィークデイはステイ先の息子が通う高校で授業を受けたらしい。フランス語はほとんど分からないはずであるからどのように過ごしたのであろうか。
しかし同級生たちとの一緒に写る写真が何枚も送られてきたが、誰よりも笑顔を浮かべているのは孫であった。よっぽど楽しい思いをしたのだろう。外国人の中にあって気後れすることなく、親しくつき合えることは大切なことである。
一緒に行った孫の同級生が、大学は絶対フランスにすると思ったらしい。フランスのどの街にホームステイしていたのか知らないが、なにか感じるものがあったのであろう。孫も日本に帰りたくないというメールを親に送ってきたらしいが、フランスの女子高生に見とれてしまったらしい。フランスの美人を見てしまったからには日本に帰ってからの恋愛は難しいのではないか。
昨日テレビの録画済一覧を見ていたらマルセイユの番組があった。私は録画した記憶はないが、放送されたのは今年の1月らしい。孫が近々フランスに行くことから家内が録画したようだ。
タレントとカメラマンという男性2人が、ホテルではなくアパートを借りてその街の人々と触れ合い、料理や景色を楽しむという番組らしい。「チョイ住み」という略称のある番組である。
マルセイユは孫が行ったモンペリエの隣町ということになるが、ヨーロッパの玄関と言われるだけに大きな町である。パリオリンピックの聖火リレーはここからスタートするらしい。
アパートを借りての外国旅行というのもいいかもしれない。出演者の借りたアパートは1日23,000円くらいであるが、現地での食材で自炊を楽しめる人なら安いということになるのではないか。
出演者たちは街のレストランでブイヤベースを食べるが、そのおいしさにびっくりするようなシーンが映し出されている。
自分たちでも作ってみて、街の人の感想を聞くというシーンが企画されていたが、街の人の感想は最悪。ハーブやサフランが入っていないという。
買い物のシーンで香辛料を買う場面がないのでおかしいなと思っていたが、これではブイヤベースを語るも作るも全くその資格がない。ブイヤベースはまずサフランの香りに驚くものである。それに気がつくこともなく、ただ魚を煮込んだだけのものをブイヤベースとしているのでは、番組製作者も出演者もなんの予備知識も調査もせず番組を作ったということになる。
買い出しのシーンで店の女性店員に「どこから来たの」と問われて東京と答えるとその女性も東京には行ったことがあると言う。「あのクレージーな街ね」と言う。
せっかくのマルセイユ紀行。もう少しいい番組にできなかったのであろうか。日本のテレビのままのノリで番組を作ってはフランス人にクレージーと言われてもしょうがない。日本の恥になったような番組であった。
孫は日本の恥になるようなことはないはずだが、いいものを得て帰ってきてほしい。(了)
コメント