「射精責任」という言葉を本の題名から知った。
原題は「責任をもって射精せよ」ということらしいが、アメリカのガブリエル・ブレアという人が書いた本が「射精責任」として日本でも出版され大きな反響があるらしい。
「病院に行かず一人で出産した女性が、赤ん坊を遺棄したなどとして罪に問われる事件は後を絶たない。だが妊娠に不可欠な男性に焦点が当たらない」
「射精責任」は、この実体が問題提起の発端である。
「望まない妊娠はセックスをするから起きるのではない。あらゆる避妊の責任を女性に押し付ける男性が無責任な射精をしたときに起きる」
「精子は危険な体液だと考えるべきでしょう。女性に痛みを与え、生涯続く混乱を招き、死をもたらすことさえあります。精子は人間を作り出すことができます。精子は人間を殺すことができます。(中略)男性は、おもちゃではなく、実際に危険な武器を持ち歩いているようなものです。彼らが精子をどのようにして扱うのかで、命が左右されるのです」
新聞記事とネット記事の引用である。すごい文章である。
妊娠の問題は、妊娠することも妊娠しないこともすべて女性だけの問題とされてきた。確かにその通りであった。すべて女性の問題であった。
男性の快楽の結果として、望まない妊娠があり、女性は一人すべての責任を負う。
すべてにおいて確かに女性の負担は大きすぎる。
射精の問題性は今まで全く考えられないことであった。女性が人間らしく生きていくには、性の問題を動物の世界と同じものとしてはいけない。
時代が変わらなければいけないのではなく、男が変わらなければいけないのだ。(了)
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