「日本の首相が誰になろうとどうでもいいが、アメリカ大統領選からは目が離せない」と書いたフリーライターがいた。
「そんな乱暴な」、と思ったが、すぐに「その通りだな」と思った。
バイデンさんが勇退し、後任にカマラ・ハリス副大統領を推した。すでに民主党の大統領候補者として、正式に指名されたのかは知らないが、指名は確実のようである。
大統領になればアメリカ史上初めての女性大統領となる。彼女の母はインド人、父はジャマイカ人だそうだ。
大したものだと思うのは、彼女はすでに国民にアッピールする顔つきを身に着けている。多分練習するのであろう。
トランプは銃撃事件以後、支持を伸ばしたと言われているが、ハリス人気が予想以上に高い。
バイデンを老いぼれ呼ばわりしていたが、今度は自分が老いぼれと呼ばれることになった。
トランプはなぜ大統領になり、今でも大統領候補者としていられるのか。理解できないのは私だけではないはずだ。
彼の「アメリカを再び偉大な国に」というのは、煽りであってスローガンではない。下品な顔つき、言動、ポルノ女優とのスキャンダル。スローガンを口にできるような男ではない。
自分にまずいことはすべて「フェイク」。選挙結果は無視、訴追されると「魔女狩りだ!」と、わめき散らす。
国会議事堂襲撃は誰が煽ったのか、ビデオを見ればすぐ判る。
トランプの異常さを、アメリカ社会が認めたということは、アメリカ社会が異常になっているからである。
経済格差、分断、閉塞感。アメリカ社会の現状を論証した本があるが、引用するまでもない。
閉塞感には、「すべてをぶっ壊す」という発言が効果的である。トランプはぶっ壊しているのである。
以前、「自民党をぶっ壊す」といって人気を集めた小泉純一郎という総理大臣がいた。今思えば、ばくち打ちのような人間である。
それを倣ったのか、NHK党の党首という男が、「NHKをぶっ壊す」と言って政見放送をした。「ぶっ壊す」と言った人間にろくな人間はいない。
岸田おろしが深く静かに進行しているようである。当の本人は再選を予定しているようだ。
岸田おろしに納得して、自ら出馬をとりやめたらそれこそお笑い種である。自分こそ総理大臣にふさわしいとして再選を目指すべきである。
総理大臣の選挙(自民党総裁選挙)となれば、権謀術策、裏切り、札束が舞う、という歴史である。
田中角栄と福田赳夫の争いは戦争と呼ばれた。
中曽根康弘の裏切りが語り継がれている。裏切りも政治であった。
今のところ、ウクライナのようなことはないだろうから、太平の世の総理大臣でいいが、天災地変も含めて、何かあったら日本の政治は対応できるのだろうか。
原発事故の時、小沢一郎は怖くて日本中を逃げ回っていたらしいが、あの時の自民党や公明党の議員も何も活動はしていなかったようだ。
国家の一大事、一与党の責任ではない。
北朝鮮にミサイルを撃ち込まれてもなすすべもなく、命大事と逃げ回っているのが日本の国会議員ではないだろうか。
日本ではシビリアンコントロールは機能しないと思われる。 (了)
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