今日はPET-CTである。4月に喉頭癌の手術をしてから初めての、いわば精密検査ということになる。
転移、再発の定期検査ということであろうが、手術の取り残しも場合によっては明らかになる検査でもある。心静かにはいられない。
そして今日は2週間前に取った大腸ポリープの検査結果が分かる日でもある。この半年病院ばかりである。歳を重ねるということは病を重ねるということか。
今年1月の定期健診で便潜血があり、ポリープを4つほどとった。そのうち1つは1センチを超え、癌化していたという。
医師は「早期がん、取り切れている、半年後経過観察」というメモ書きを私に渡した。
2週間前の大腸検査はこの「半年後の経過観察」なのであるが、病院は同じではない。前回の病院の検査があまりに痛く苦しいものであったので、痛くない病院を探したのである。
私の大腸は伸びているらしく、その場合カメラが入りにくいという。
今回の病院は鎮痛剤により痛みを緩和して検査したが全く痛みや苦しさがない。本当に検査したのかと疑うほど簡単であった。時間も30分もかからない。前回は1時間半ベットの上でのたうちまわったというのに。
鎮痛剤を使用するかどうかは医師により分かれるところであるらしい。しかし危険があったとしても痛くないのはありがたい。
大腸ポリープの切除は今回が初めてではない。ほぼ10年前人間ドックで便潜血が出たため大腸カメラをすることになった。
大腸カメラでひととおり確認した後「今からポリープを取ります」と医者がいとも簡単に言う。
ちょっと待ってくれ、ポリープを取ると言ったら入院して大掛かりな手術で行うものではないのか、と言いたいところであったが、医師はさっさと4つほどとった。
ポリープ切除の講談話のような大げさな話を近所の年寄りから聞かされていたので意外なことであった。
翌日かなりの出血があり驚いて病院に行くと、出血止めのクリップが外れていた、ということだった。その際「もう一つポリープを見つけた」ということで計5個のポリープを摘出したことになった。
以来10年間大腸病院には行かなかった。便潜血がなかったからである。ポリープを取ったら最低でも年に1回は大腸カメラを受診することが定説らしい。
10年間も放っておいた大腸に癌化したポリープが見つかった。早期ということであったが、これが取り切れているというなら私は悪運がつよい、と自負していいことになる。
女性に大腸がんが多いという。その原因は恥ずかしがって検診に行かないことだという。女性という体に原因があるわけではないらしい。
恥ずかしいという気持ちは男の私にも女性ほどではないとしてもある。何事も経験である。行ってしまえば大したことではないことがわかる。
蛇足だがポリープ切除の費用は1個いくらである。もちろん保険の適用はあるが、3割負担の身としては、4個も5個も取ってはかなりの金額になる。
ポリープ1個につきいくら。駄菓子屋のキャラメルのようである。
笑い話のようなものである。
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