またストーカーによる殺人が起きてしまった。どこの警察も言うことは同じである。「当方に落ち度はない」
警察に落ち度がなくて、なぜ人が殺されなければならないのか。犯人と思われる人物は最初から特定していたではないか。ストーカー禁止法では命を守れないことははっきりしているし、警察も人命より法律の形式的運用のほうが大事であることがはっきりしている。
この事件で気になったことがある。被害者が警察に相談したことが犯人の恨みをかった、ということである。
被害者の相談も最初は、つきまとって別れてくれない、という内容であったものが、恨まれている、ということに変わったという。
「なんで警察に相談した。職を失う」と犯人は激しく被害者に詰め寄ったということが、昨日の夕刊に書いてあった。
警察に相談したことが事件の背景の一つになったのではないか、と新聞は論評している。警察に相談したら恨まれる。逆恨みということであろうが、そんなことを言ったって恨む者は恨む。
警察に相談したら恨まれるし、相談しても助けてもらえない。これが現実である。警察はいい加減、正義の味方の看板を下ろすべきである。
13歳の娘が母を殺害した。4歳の子供を母が殺害した。このような事件が後を絶たない。
就寝中の母親の首を刃物で刺し殺す、という13歳の子供の母親に対する憎しみの感情が、どんなふうに生まれたものなのか、理解しようにも理解できることではない。
幼児殺害事件では、5年前東京目黒の船戸結愛ちゃんのことが忘れられない。幼い字でつらい思いを書いていたあの文章が思い出されるのである。
幼児虐待死事件は内縁の夫による場合が多い。妻の連れ子に憎しみを覚えるのであろうか。母親は夫が自分から離れていくことを恐れて子供を守らない。母親が子供を守らなければ守る人は誰もいない。
人の死から教訓を得ようとは思わない。思うべきではない。ストーカー事件、親子間の事件。目にするたび無力感に蔽われる(了)
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