台風被害と言葉の被害

　台風７号の被害を伝えるニュースがほとんどない。
　過去最大最強の台風と、テレビのアナウンサーや気象予報士は強調していたが、大きな被害が予想された千葉県でも、木や電柱が倒れたというようなことはなかったようだ。

　千葉に住む人が、「大したことがなくてよかった」とインタビューに答えていたが、本当にその通りの気持ちである。
　何年か前千葉を襲った台風では、屋根が飛ばされ、青いシートをかぶせた家が何軒も続いていたが、修理が間に合わず、ずいぶん長い間不便をしたようだ。

　しかし伊豆大島や八丈島などの状況はどうだったのだろうか。私が見たニュース番組では報道がなかった。

　災害の予報は大げさなものであってもいいと思うが、ただ今回の台風の場合、関東に上陸する可能性はかなり低いことが何日か前からはっきりしていたように思う。ただ過去最大だとか、危険な台風だとかいう前に、もう少し正確な情報が提供されてもよかったのではないか。

　和田アキ子さんが、トド発言について謝罪したらしい。
　本人は、「トドのように可愛い」というつもりで言ったのだが、例えが悪かった。ゴマアザラシではどうだったのだろうか。あれは可愛い。

　和田アキ子さんもずいぶん変わった。そろそろ引退を考えられてもいいのではないだろうか。

　吉田鋼太郎という役者を知ったのはＮＨＫの朝の連続ドラマであった。
　九州の炭鉱でひと山当てた無学で粗野な成り金男を、最近の役者には見ることのない迫力で演じていたように思う。

　そのドラマ出演がきっかけになったのか、それから人気が出たようで、テレビコマーシャルでもよく見かけるようになった。

　しかしあの無学で粗野な成り金男のキャラクターが、コメディータッチのCMに出演するのはどうもいただけない。こんな面もあるのだ、という企画かも知れないが、やめた方がいいと思う。

　１週間ほど前、駐車場で声をかけてくれた娘さんのお父さんが、１５日に亡くなった。私とは４５年来の顔見知りである。
　また一人、近所の知人がいなくなった。ご冥福を心から祈る。（了）