人は昔から人間関係に悩むが、人間と関係するのであるから当然のことである。
人間はみな自分のために生きているから、他人と関係を持てば愉快であるはずがない。
悪い人間はいつの時代にもどこにもいる。悪い人間とは人を殺したり、人の物を盗んだりすることだけではない。
人と協調しない。人の弱みに付け込む。嘘をつく。これらはみんな悪(ワル)である。理由もなく敵意を持つ人間もいる。こういう人間は最もタチが悪い。
悪い人間が多くいるところは職場である。
ある作家と言われる人が「職場の人間関係は悪くて当然」と言う。
職場の人間関係はどこでも悪いから、人間関係がイヤで職場を変えたとしても同じようなことはどこに行っても起きる、ということを言っている。
不登校に関する人間関係は、生徒と生徒のことかと思っていたら、先生と生徒との関係においてもあるらしい。このことの方が問題としては重大である。
先生は責任を負わないから、生徒は小学校や中学校を出席しないまま、卒業ということになる。
趣味のサークルなど、和気あいあいの人間関係のように見えるが、趣味とは言ってみればこだわることであるから、自分に合わないものに対して人は排他的になる。
趣味の世界においても、お山の大将とそれにへつらう関係が存在するのである。
趣味のサークルなどに入会するときは、人間の悪が出にくい趣味を選ばないと、これまた人間関係に悩むことになる。
学生時代の友人には職場におけるような人間関係はない。だから学生時代の友人とは長続きする、ということになっている。
しかし何年か何十年かに一遍くらいしか会わない関係を人間関係と言えるかということがある。
若い時から転職をしてきたが、それは職場にろくでもない人間が多かったからである。そんなところにいたら人生台無しにしてしまう。
親が金持ちで、食べるために人間関係を持つ必要のない人は、最高の人生を送る人である。
親が金持ちでない人は、若い頃は一生懸命働いて十分すぎる金を貯め、高齢になったら人間関係を切り捨てて生きていくものである。それを悠々自適という。
会社勤めを辞めて自営になったとしても人間関係は付きまとう。
切るべき人間関係は切り、人間関係の不愉快さを最小にすることが、自営ということである。
高齢になって生活費のため働くということは、そんなにいいことではない。働く楽しみなどの前に軽蔑が待ち構えている。(了)
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