人生には行ってはいけない所がある

　私は人との付き合いがうまくないから、クラス会とか同窓会、クラブのOB会などというものが苦手である。
　どんな会に出席してもいつも一人になっている。人のところに寄って行かないし、人も寄ってこない。人生には行かないほうがいいところがある。

　４０年ほど前、新郎が４０歳、新婦が３８歳という結婚披露宴に行ったことがある。
今でも晩婚ということなるが、当時としては、どのように人に誤解されても仕方がない年齢である。

　新郎にもいろいろあったようだが、新婦という人が、失礼であるがひどかった。
　行ってはいけない所、というのは場所のことではなく、人のことである。

新婦の短大時代の同級生が5、6人出席したが、結婚を祝うというより、「あのみっともない人がどんな花嫁姿になるのか」ということと、あんな人と結婚するような男はどんな人か、ということしか関心がないようであった。
新婦は友人に好かれたようだが、女性友達としては扱われていなかったようだ。

　新婦の友人たちは、みなさんお金持ちと結婚して、子育ても一段落の人達である。セレブと言っていい人達なのであろう。

　ひどい二次会であった。新郎が区役所勤務の地方公務員ということが、嘲笑の原因でもあるらしい。

人生には、行ってはいけない所があることを知る二次会であった。　(了)