あの和田先生が、60代以降は酒・ラーメンを我慢しなくていいと言っている。
しかしこの人の話は俄かに信じるわけにはいかない。
さらに「積極的に外食を活用したほうが良い」という。
それはないだろう。外食は塩分も多いし、どんな油を使っているかも分かったものではない。
すると、「日本人の悪いところでお家のご飯のほうが外食より健康にいいと考えている」と言う。いつもの和田先生とは思えない緻密さがある。
「今のラーメンのスープは化学調味料を使わないのが主流で、10~15種類くらいの食材を入れて煮込んである。
それでトッピングに野菜とメンマ、チャーシューがついて、野菜もタンパク質も摂れるし、当然、麺で炭水化物も摂れる。
それだけでけっこうなバランス食になっている」
なるほどかなりな説得力がある。
粗食こそが健康の源ではないのか、と思っていたら、
「歳を取れば取るほどたくさんの種類の食べ物を摂ったほうがいい。お家ご飯が健康にいいように一見みえるけれども、粗食だとどうしても種類が摂れない。歳を取るとなぜか、貧しい食に戻ってしまう人が多い」
しかし食べれば太ってしまうし、少なめに食べても太ってしまう。
健診でも腹が出ていればメタボである。メタボは心不全だの脳梗塞などにつながるから、体重を落とすようにと指導を受けることになる。
「とくに60代以降やってはいけないのは、食べ物を減らして痩せようとすること。これは確実に栄養不足になる。
60代以降は小太り程度がちょうど健康的でいい。60代以降は筋肉を落としては絶対ダメ。
年を取ってから筋肉が落ちると足腰が弱り、歩けなくなる原因になる」
つらいところを突かれると反論もない。
歳をとったら肉を食べろ、と言うようになった。昔とは様変わりである。
素人考えで、たんぱく質をとれば脂肪の摂りすぎが問題になる。アメリカ人は心筋梗塞が多いらしい。でも脂肪をとらないと干からびてしまうような気もする。
日本が世界一の長寿国である原因はなんなのか。医療の進歩なのか、粗食なのか、ラーメンのうまさなのか。
美味い物を食べて酒を飲んで、吸いたければタバコも吸って、好きなように生きていけばいいのか。医者の言葉に従って、仙人のように生きながらえた方がいいのか。
いずれを選ぶかということではなく、いずれかになっているということである。
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