最低賃金を上げることはいいことだと思っているが、ラーメン屋のオヤジが、「時給10円上げるだけでも死活問題だ」と言った言葉が気になった。
ラーメン屋のオヤジが、パート従業員を「搾取」して不当な利益を得ているとは思えない。早い時間から仕込みをして、ラーメン1杯売ったところで何百円の利益。
なんとか客が来てくれれば食べていけるだろうが、貯えに回せる利益などほとんどないのではないか。失敗すれば設備費などの回収は諦めることになる。
最低賃金のアップは働く者にとっては朗報だが、同じく働く者でありながら賃金を支払う者にとっては死活問題になる。そうかもしれないな、とあらためて思う。
今回の選挙で野党だけでなく、自民も最低賃金(時給)を1,500円とする公約を掲げているらしい。
しかし最低賃金は大企業には関係のないことで、問題は中小以下の零細企業の賃金のことになる。
最低賃金を上げることによって、成り立たなくなる企業が多く生じることも事実である。最低賃金を上げるのであれば、零細企業の売り上げも上がるものでなければ釣り合いがとれない。
世の中は人手不足だという。人手不足ということは景気がいい、ということだと思うが、そうでもないという。
ラーメン屋の廃業が続いているらしい。
ラーメン1杯2,000円くらいにすれば、すべて解決ということになるかも知れないが、ラーメン一杯に2,000円払うことは、最低生活者には難しいことである。
結局選挙は、できもしないことを公約にしているということである。
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